本格的なアイドルグループの誕生とセルフプロデュースによるアイドルグループの初ステージ
2016年12月よりメンバーオーディションが始まったAKB48グループ“MNL48”の1期生が2018年4月28日、ABS-CBNの人気番組「It’s Showtime」で生放送された最終審査「MNL48 GeneralElection」にて決定。いよいよフィリピンに本格的なアイドルグループが誕生した。
そして、“MNL48”の1期生が決定したその日、オルティガスのメガモールで開催されたコスプレ系イベントOzine Fest 2018で初ステージを踏んだアイドルグループがいる。グループ名は“アイドル素材”。彼女たちはプロダクションやレコード会社に所属しているわけではなく、自ら名乗りを上げたセルフプロデュースのアイドルグループだ。15歳から23歳のアイドルにあこがれる友達同士7人が集まって自然発生的に誕生した。そして、その彼女たちをサポートしているのがダニエル
・グイアムさん。彼はもともと、メンバーのさーちゃんとヤナチーと友達で、彼女たちが組んだグループの練習を見に来ないかと誘われたという。それは初ステージを踏むわずか2カ月ほど前のこと。
「彼女たちはアイドルになるという夢を皆信じていました。彼女たちはアイドルを目指し失敗も経験していますが、全くあきらめていない。どこからの援助もないのに、彼女たちはたゆまぬ努力を続けています」「私は彼女たちが必要とし、私にできることを手伝っているだけです。彼女たちのパフォーマンスの機会を得るためにイベント主催者に交渉したり、SNSで情報発信をしたり。しかし、彼女たちをプロデュースしているのは彼女たち自身です。私はただのサポーターです。」
彼女たちの初ステージは驚くべき熱狂だった。直前までのバンド演奏とは打って変わって観客が前へ前へと押し寄せ、一部にはオタ芸でステージを盛り上げる集団もあり、日本で見るアイドルグループのライブそのままの光景が繰り広げられていた。プロダクションにもレコード会社にも所属せず、オリジナル曲を持つわけでもない彼女たちの存在がすでにこれほど多くの人々に広まっていたとはまさに驚きだ。
アイドル戦国時代といわれる日本でも、地下アイドルと呼ばれ地道な活動から表舞台に上がってきたグループもある。彼女たちは今スタートラインに立ったばかりだがこれからも地道な活動を続けファンを獲得し、きっとより大きなステージに昇っていくだろう。
変化の時を迎えたフィリピンのアイドル事情。アイドル時代の幕は開くか?
地元テレビ局を巻き込んでの大プロジェクトとしてスタートした“MNL48” 。一方、セルフプロディースで表舞台に打って出ようとする“アイドル素材”。実は現在フィリピンには、モーニング娘。にインスパイアされた“Ivy Musume”、オリジナリティ溢れる“CH4U蝶”、バギオを拠点に活動する“PASTEL∞MIX”、メンバー全員が日比のハーフで既にメジャーデビューを果たしている“JAPH DOLLS”、そして今年のデビューを目指しオリジナル曲で挑む“Project Urodia”とYoutubeアイドルを掲げる“ASTERISM”など多種多彩なアイドルグループがある。
AKB48グループのファンサイトを主宰するMr. YOUKOによるとフィリピンではアイドルではなくアニメやゲームのバーチャルアイドルの人気が高いが、それでも“Pastel∞Mix”が2008年、“Ivy Musume”とAKB48 のカバーグループ“青春革命”が2011年、そして2015年にチャンネル5で放映されたNHKドラマ「あまちゃん」の応援隊として結成された“Kawaii5”などが活動を開始。そして、2016年12月のMNL48プロジェクトの始動によりフィリピンのアイドル事情は大きく変化したという。
「この2年間で日本のアイドル文化の影響が大きく広がりました。新しいグループも次々誕生し、まさにアイドル時代の幕開けといった感じですが、実際はどう展開していくのか。ひとつのグループが成功することは、アイドルグループ全体にとってもファンが増え、ライバルが増え、チャンスが増えるということです。まさに日本と同じです。はたして、フィリピンで日本のアイドル文化がどう広まっていくのか、これからを楽しみにしています」
いよいよ、機は熟したか?フィリピンのアイドルグループに注目だ!
On April 28, 2018 the first Japanese produced idol group in the Philippines, MNL 48 was born with ABS-CBN’s “It’s Showtime”. On the same day, Aidoru Sozai had their first public performance at SM Mega Mall. They are self-produced ‘indie’ idol group not belonging to any production company. Despite this, their first public performance was a success and was accepted with great enthusiasm. Currently many other idol groups are being formed in the Philippines in what is now said to be an ‘Idol boom’ in the country. This year, Philippine idol groups are really getting the limelight!