塀の中もキャッシュレス

 

 

[デイリートリビューン・8月26日] フィリピンでは現金支払いからキャッシュレス化が進んでいるが、9月から全国の刑務所でもキャッシュレスが導入されている。受刑者及び職員は、刑務所名で現金を持つことはできなくなった。刑務官など職員には通帳が渡され、週2000ペソまで刑務所内の売店での買い物に使うことができ、通帳に購買記録が記入される仕組みだ。

 

 

この刑務所内のキャッシュレス化は、職員が賄賂を受け取るのを防ぐことを目的としているという。受刑者間のギャンブルなどで起こるトラブルを未然に防ぐことが目的なのかと思っていたら、職員の汚職を防ぐためだったとは……。
深い闇を感じさせる。

 

 

しかし、キャッシュレスな社会が進む中、受刑者も刑務所内でキャッシュレスに慣れることで、出所してからスムーズな社会復帰にも役に立つのではないだろうか。

 

 

 

フィリピン式バトルロイヤル

 

 

[デイリートリビューン・8月27日] フィリピン伝統のゲーム「パロセボ(Palosebo)」は、高く立てられた数本の竹の棒に1人のプレイヤーが登り、上に付いている旗や賞品が入ったバッグを先に取った者が勝ちというシンプルなゲーム。だが、そのの竹には油が塗ってあり、滑って思うように登れないのがミソ。パロセボという名前は、Palo=棒、Sebo=潤滑油という意味だ。

 

 

タルラック州の町で行われたパルセボ(Wikimedia Commons Public Domain, Government of the Philippines)

 

 

 地域によっていろいろなパルセボがあるようで、南カマリネス州ナガ市のとあるバランガイで行われたパロセボで使用された棒は約4.5メートルのの棒1本のみ。その1本の棒に4人が登った。そして、4人が棒の真ん中に集中した時、その重さで棒は折れてしまった。4人全員がけがをして、病院に運ばれたという。

 

 

 1本の滑る棒を4人が争って登る……棒が折れなくてもそれだけで十分危険すぎると思うのだが……。

 

 

 

酒は飲んでも暴れるな

 

 

 

[デイリートリビューン・8月28日] ラグナ州カランバのあるレンタルリゾートのオーナーは、その監視カメラの映像が信じられなかった。誕生会のためにそのリゾートをレンタルした4人は、ドリンクのボトルにはじまり、調理用のグリル、テーブル、イス、給水ディスペンサーまでをプールの中に放り込んではしゃぎ、トイレもめちゃくちゃに荒らしていた。

 

 4人のうちの1人は、「酒を飲みすぎで泥酔し、自分たちを制御できなくなった」と謝罪。修理代として3万ペソを払うことになった。また、プールの管理を任されていたスタッフは、解雇された。

 

 

 さては、管理人も一緒に酒を飲んで騒いでいたのがばれたか?

 

 

 

新しい旅のカタチ?

 

 

[デイリートリビューン・9月2日]  家を建てるには、お金がかかる。しかし、安く済ます方法はあるようで、北カマリネス州のある夫婦は、約16万5000ペソで家を建てた。夫妻は「我が家はコンドミニアムよりいい」と胸を張る。

 

 

 その家は小さな移動式のモバイルホームで、簡易トイレとシャワー、ベッド、キッチン、キャビネットまで完備されている。夫妻がフィリピン国中を旅行してもホテル住まいすることなく、宿泊費を節約することに成功した。

 

 

 そのモバイルホームは元々、夫妻が出張洗車のビジネスをしていた時に使っていたトライシクルを改造してつくったもの。パンデミックの影響もあり、ビジネスがなかなかうまくいかない中、2人で旅をする夢をかなえることに決め、トライシクルをモバイルホームへと変身させたのだ。2人で一緒に旅をした経験は何ものにも代えがたいと語る。

 

 一般に、日常生活を離れることが旅の意義とされるが、自宅と一緒に、日常生活そのものを持ち運ぶように旅をするのもいいものなのかもしれない。