フィリピンが誇るビーチリゾート、ボラカイ。世界各地から訪れる観光客はホワイトサンドビーチだけでなく、きっと食事も楽しんで満足しているはずである。そんなボラカイのダイニングシーンを語るうえでは欠かせないレストラン、Nonie’s(ノニーズ)がこのほどマニラ首都圏モンテンルパ市アラバンにオープンした。
センスが光るロケーション
「ボラカイで最高のレストランの1つ」。ノニーズのウェブサイトを見るとこのように出てくる。ヘルシーであること、地元産食材を使うこと、サステナビリティ(持続可能性)への配慮、そしてもちろん、おいしいことが評価されているようだ。ただおいしいだけでは高い支持を得ることができないのが、世界から人が集まるボラカイらしい。
ボラカイで7年の実績を持つノニーズがマニラに進出するに当たって選ばれた場所は、マカティでもBGCでもなく、ボラカイのビーチの美しさにはほど遠いマニラ湾沿いでもなく、アラバンのモリト・ライフスタイル・センター(Molito Lifestyle Center)。知る人ぞ知るレストランが集まる場所だ。マニラの喧騒からはちょっと離れつつ、いいセンスを感じさせるロケーションである。
筆者はフィリピンに7年以上いるが、いまだにボラカイに行ったことがない。なのでノニーズも知らなければ、ボラカイでどんなものを食べることができるのかも知らない。だがボラカイには行きたいと思い続けているので、まずはボラカイの食を知るべくノニーズへ行ってみた。
ボラカイ料理とは何か
メニューにはカビテスタイル・ポーク&チキンアドボ、テンペ・カレカレ、ツナのタタキ、ビーフ・キムチ……とボラカイを強調する料理は特にない。なのでおすすめ印が付いているメニューを中心に注文した。
ポーク&ビーンズ、パイナップル・パンダン・パンケーキ、テンペ・サラダ。これらのどこがボラカイなのかと言われたら、やはりコスモポリタンなところであろう。レチョン・カワリを思わせるクリスピーなポークとトマトべースのベイクトビーンズ。甘いパイナップルが鎮座するパンケーキは、東南アジアならではの植物パンダンで緑に着色。そしてテンペといえば、インドネシアの発酵食品である。テンペはノニーズの自家製だ。まさに多国籍な食文化を寄り合わせたようなメニューがノニーズの特長だ。完全菜食のビーガンのメニューもある。
実は、ノニーズはボラカイ料理店とは掲げていない。フィリピン料理をベースとしつつ、多国籍な味が楽しめるのがノニーズの魅力なのだと思いたい。(T)
マカティからバスでアラバンへ
アラバン・タウンセンター行きのバス乗り場は、デラロサ通りとレガスピ通りの交差点、グリーンベルト5のブティック「Massimo Dutti」横にある(2024年5月1日現在)。黄色のバスが午前6時30分から午後10時まで30分~1時間毎に出発し、約30分でアラバン・タウンセンターに着く。片道110ペソ。アラバン・タウンセンターからモリト・ライフスタイル・センターへは徒歩約8分。
アラバン・タウンセンターのマカティ・グリーンベルト行きバス乗り場。マカティからのバスを降りた向かい側にある。
(初出まにら新聞2024年5月4日号)