本誌4月号にベンゲット地方ラトリニダッドの「ストロベリー・フェスティバル」のレポートを掲載したところ、たくさんの反響をいただきました。そこでナビマニラは、さらにフルーツ系フェスティバルを探してみることに。するとなんと、マカティから車で約2時間のラグナ州カラウアン町でパイナップルの祭り、「ピーニャ・フェスティバル」が! 再びフルーツの祭典へ行ってきました。

 

 

 

カラウアン・タウンプラザにある3メートルを超える巨大パイナップル像と筆者。

 

 

 

地元を盛り上げる

 

 農業が盛んなカラウアンの名産はパイナップル。タガログ語でパイナップルを意味する「ピーニャ」が祭りの名前に使われ、市役所周辺を中心にアットホームな雰囲気の中、6日間にわたって地元の名産物を祝う。

 

 地域の学校も祭りに参加し、取材班が訪れたフェスティバルの初日、5月10日は地元の中学校3校が集まり人形をカラウアンの名産物を使用して飾り付ける「ピーニャカマガンダン・マニーカ・コンテスト」が行われていた。カラウアンではパイナップルの他にも、コーン、モンゴ豆、米なども生産されていて、それらを自然色豊かな洋服やアクセサリーとして使い、人形が飾られていく様子を見ることができた。祭り名は「ピーニャ」としながらも、その他の作物を手がける地元農家にもアピールのチャンスを与えるのが、この祭りの目的の一つでもあるようだ。

 

 

市役所そばの広場でカラウアン町内のバランガイごとに出店し、パイナップルワインや野菜、フルーツなどを販売。

農産物を利用した衣装で人形たちが飾り付けられていく。

 

 

 

甘く芯までまるごと

 

 カラウアンのパイナップルのベストシーズンは5月。「フィリピンで1番甘いパイナップル」として有名で、この祭りの時期は特に甘いらしい。道端に無造作にパイナップルが並べられて売られているのを見ると、大丈夫? と思ってしまうが、味は一級品。甘く、噛めば果汁が口の中にほとばしるほどジューシー。そして驚いたのが、芯までおいしく食べられること。パイナップルを買うと、すぐ食べられるように店の人に切ってもらえるのだが、皮部分はきれいに取り除かれていても、芯にはノータッチ。半信半疑で芯の部分を口に運んでみたところ、意外にもとてもおいしかった。カラウアンのパイナップルは芯まで食べられて無駄がなく、環境にもやさしいのだ。

 

 

パイナップルをその場で食べられるようにカットしてくれた。

 

 カラウアンは、自然豊かな地域で、見渡すあたりは田んぼ、畑、そして遠くに山を望む。首都圏から抜け出してリフレッシュしたいとき、そして何よりパイナップルを愛してやまないあなたに、カラウアンはおすすめである。(METR)

 

 

道端で売られるパイナップル。大きいものは1つ80ペソ、Mサイズは70ペソ、小さいサイズは3つで100ペソ。