■ フィリピンの主な行事・祝祭日・特別休日(2017年)■ (大統領府発表)
フィリピンにはレギュラー・ホリデーと、スペシャル・ホリデーの2つの種類の休日がある。レギュラーの方は12日あり、日本で言うところの元旦や、レーバー・デー、独立記念日、クリスマスなどがある。スペシャルの方は6日あり、中国系の人々のために中華暦の春節(旧正月)を祝ったり、聖者と死者の日、大みそかなどを設けている。また都市によって独自の休日を設けているところもある。セブでは「セブ市施政記念日」などは特別休日になる。イスラム教徒の断食月ラマダン明けを祝う、イード・アル・フィトル」と、犠牲祭 「イード・アル・アドハー」は、イスラム暦に従って決まるため、休日は未定。
1月1日(金) 新年 (New Year’s Day) 【祝日】 |
新年幕開けとなるこの日は、 首都圏や主な市町村で、前夜の大晦日真夜中から始まる爆竹や花火などによる騒音と煙に包まれて始まる。12月16日から続いたカトリックのクリスマス儀礼は公式的には1月6日の「主の公現日」で終了、飾り付けなどが取り払われる。 |
3月1日(水) 灰の水曜日 (Ash Wednesday) |
イエスの死と復活を祝うカトリック教徒の年中行事「復活祭」に先がけ、 その46日前に、 各地の教会で特別のミサが行われる。灰をかぶって罪を悔い改めたという古い習慣に基づき前年の復活祭で用いたシュロの葉を燃した灰にオリーブ油を混ぜたものを、信者の額に十字印に塗る。 |
2月25日(土) エドサ政変記念日(EDSA Revolution Anniversary) 【特別非勤労日】 |
1986年2月25日、民衆デモ(ピープル・パワー)が高揚しマルコス大統領は退陣に追い込まれ、その結果、コラソン・アキノ氏が大統領に就任した。この「エドサ政変」の記念日。 学生のみが休校。 |
4月9日から 4月16日まで 聖週間 (Holy Week) |
フィリピンではクリスマスとともに、 この聖週間が重要な年中行事。主イエスの受難と死、 そしてその復活にまつわる物語を、教会のミサを中心に、 受難の詩「パション」の朗読やそれを演劇にした「セナクロ」などを通じて追体験する。また日頃に犯した罪を贖うために裸足による巡礼やむち打ち苦行などに参加する住民も多い。聖木曜日と聖金曜日が祝日に定められており、翌日の土曜日と復活祭の日曜日を併せて普通4連休となる。 各地の有名な行事としては、ブラカン州マロロスやリサール州カインタなどで上演される「セナクロ」劇。また聖金曜日にパンパンガ州サンフェルナンド町内のクトゥドで行なわれる「十字架はりつけ苦行」。また傷付いたイエスと母マリアが再会する「スガット(傷)」や「パサルーボン(再会)」と呼ばれる宗教行列が東ネグロス州サンカルロス町などで行われる。 さらにマリンドゥーケ島の主な町々の教会周辺を舞台にして繰り広げられるローマ兵士ロンヒヌスを主人公とした仮面劇「モリオネス」がある。いずれも住民自らが参加する。 |
4月9日(日) しゅろの聖日/枝の主日 (Palm Sunday) |
聖週間の始まりを告げる行事。イエスのエルサレム入城の際、 住民がシュロの葉(ラモス)を振って迎え入れたという故事にちなみ、 教会でヤシの葉などを編んで作った飾り(パラスパス)を持った信者たちが集う。司祭の清めを受けたこの飾りは悪霊を追い払うとして家の玄関口に飾られる。 |
4月13日(木) 聖木曜日 (Holy Thursday) 【祝日】 |
4月14日(金) 聖金曜日 (Good Friday) 【祝日】 |
4月15日(土) 聖土曜日 (Black Saturday) 【特別非勤労日】 |
4月16日(日) 復活祭 (Easter Sunday) |
4月9日(日) 勇者の日 (Araw ng Kagitingan) 【祝日】 |
第二次世界大戦中ルソン島中部バタアン半島に立て籠った比米軍部隊が日本軍に降伏した日が1942年4月9日。その直後から始まった「死の行進」による犠牲者など一連の戦争の被害を胸に刻む日として、 「バタアン・デー」が以前この日に定められていた。しかし80年代後半、 それら被害者を含めたすべての兵士たちの英雄的な行為を記念する日へと変更された。この日、 バタアン州サマット山にある慰霊廟では比日政府合同の祈念式典も行なわれる。 |
5月1日(月) メーデー (Labor Day) 【祝日】 |
労働者の権利を広く訴える祝日。労働運動の盛んなフィリピンでは、 都市や町の公園を中心に労働者によるデモや集会がこの日繰り広げられる。 |
6月12日(月) 独立記念日 (Independence Day) 【祝日】 |
1898年のこの日, フィリピン革命の暫定政府の中心人物だったエミリオ・アギナルド将軍がカビテ州カウイットでスペインからの独立を宣言したことにちなみ制定された。第二次大戦後しばらくは7月4日が独立記念日になっていたが, 64年から現行通りになっている。 |
7月4日( 火) 比米友好記念日 (Filipino-American Friendship Day) |
1946年7月4日、 アメリカの独立記念日に合わせてフィリピンは正式に独立。戦後この日を独立記念日としてきたが、 64年からは、 6月12日を独立記念日に、 7月4日を比米友好記念日として祝うことに。マニラのリサール公園、かつて米軍基地のあったバギオ、 オロンガポで記念行事が開催される。 |
【特別非勤労日】 8月21日(月) ニノイ・アキノ記念日 (Ninoy Aquino Day) 【特別非勤労日】 |
1983年8月21日、ニノイ・アキノ上院議員が、 亡命先の米国からマニラ国際空港に降り立った直後に暗殺され、全国的な反マルコス闘争の引き金となった。 ニノイ・アキノ氏は現大統領の実父(2016年1月現在)。 |
8月29日(火) 英雄の日 (National Heroes’ Day) 【祝日】 |
フィリピンの歴史上著名な英雄だけでなく、 無名の英雄にも思いをはせる日。 |
11月1日(水) 万聖節 (All Saints’ Day) 【特別非勤労日】 |
カトリックの教会暦では、 11月1日を諸聖人を記念する万聖節、 翌日の2日を死者を記念する万霊節とそれぞれ定められているが、 この期間には司祭によるミサや家族による墓地詣でが行なわれる。マニラやセブ市内などの各墓地では、 10月31日夜から一族が墓前に集まり、 花やローソク、 供物を捧げたり、 会食やマージャンなどのゲームをして夜明かしする。 |
11月2日(木) 万霊節 (All Souls’ Day) |
11月30日(木) ボニファシオの日 (Bonifacio Day)【祝日】 |
19世紀末のフィリピン革命の原動力となった秘密結社カティプーナンの創設者の一人であるアンドレス・ボニファシオの生誕を記念した祝日。 |
12月16日(土」)〜1月7日(日) クリスマス期間 (Christmas) |
イエス・キリストの誕生を祝うクリスマスは12月16日から9日間行なわれる早朝のミサ「雄鶏のミサ(Misa de Gallo)」によって本格的に始まる。例えばマニラのラスピニャス教会では, 午前4時半のミサの開始を知らせるために3時半にはブラスバンドが町中を演奏しながら練り歩く。教会の前の木には「パロル」と呼ばれる星形ランタンが何百もぶら下げられ, 広場の周りには「プト」というパン菓子を売る店が立ち並ぶ。24日の夜は, イエスの父ヨセフと母マリアがイエスを生む宿を探した聖書の故事にちなみ, その場面が再現される。カビテ州のカウイットではこの夜, 町内一帯を使って宿探しの場面が忠実に再現される。 25日午前0時にはイエスの降誕を祝う「贈り物のミサ」が教会で行なわれ, クリスマスはクライマックスを迎える。パンパンガ州サンフェルナンドの教会前では巨大なパロルによるぶつかり合いが行なわれ, ミサに参加する人々以外にも多くの見物客が集まる。祝日はこの25日だけである。 |
12月24日(日) クリスマス・イブ (Christmas Eve) 【特別非勤労日】 |
12月25日(月) クリスマス (Christmas Day)【祝日】 |
12月26日(火) 【特別非勤労日】 |
12月30日(土) リサール記念日 (Rizal Day)【祝日】 |
フィリピンの英雄と称えられるホセ・リサールが1896年のこの日に現在のルネタ公園付近でスペイン官憲によって処刑されたことを記念した祝日。リサールはヨーロッパ留学中に「ノリ・メ・タンヘレ(我に触れるなかれ)」と「エル・フィリブステリスモ(反逆者)」の2冊の小説をスペイン語で執筆し, フィリピン社会におけるカトリック修道会の圧制ぶりを批判した。 |
12月31日(日)大みそか 【特別非勤労日】 |
編集: 「ナビ・マニラ」 Navi Manila