在比イタリア商工会議所(ICCPI)とフィリピンで欧州製品を扱う食材店サンティス・デリカテッセンの共催による国際ティラミスデーイベントが21日、首都圏マカティ市のカルパチオ・イベントプレイスで開催された。

 

 イタリアのチーズブランド、ガルバーニの提供により、ティラミス作りには欠かせないマスカルポーネチーズを使用したティラミスがサンティスのシェフによって実演製作され、参加したメディア関係者らに振る舞われた。

 

ティラミスの作り方を実演するサンティスのクリスシェフ

 ICCPIのセルジオ・ボエロ会長は冒頭のあいさつで、国際ティラミスデーをフィリピンで祝うことにした経緯を紹介。「フィリピン人と会話をしていたとき、ティラミスが話題に挙がった。そして『ティラミスは日本のデザート』と言われて、大変ショックを受けた。これはどうにかしなくてはと思った」と自分の経験を披露し、会場の笑いを誘った。

在比イタリア商工会議所のセルジオ・ボエロ会長(右)とガルバーニ・フィリピンのイスマエル・レ・カルバニック・マネジャー

 確かに日本人にとっても発音しやすく、なんだか馴染みやすい響きのティラミス。しかしこれはれっきとしたイタリア語で、ボエロ会長によれば、「Tiramisu」は「Lift me up」、つまり「励ます」や「元気にする」という意味がある。エスプレッソコーヒーを含み、また控え目であるとはいえ甘さが口に広がるスイーツのティラミスは、元気がないときや疲れたときに癒しとエネルギーを与えてくれるという。

 

 そんなイタリアを代表するティラミスが、イタリア発祥のデザートであるという認識が薄いことについて同会長は「家庭で誰でも簡単に作れることや、甘すぎず苦すぎず誰の味覚にも合うことが世界中で人気の理由であるとともに、浸透しすぎてイタリア色が薄れてしまっているといえるのでは」と分析した。

会場で振る舞われたティラミス

 ガルバーニによるプレゼンテーションでは、脂肪分30%の通常のクリームチーズではなく、41%の脂肪分を含む同社のマスカルポーネチーズがティラミス作りに最適であることが強調された。そしてサンティスのシェフが実際にガルバーニのマスカルポーネチーズを使用してティラミスを作りながら、コツや注意するポイントなどを説明した。必要な材料が少なく、工程もシンプルなことから、参加者からは「家でも簡単に作れそう」と声が挙がった。

 

 カルバーニのマスカルポーネチーズは、サンティス各店で発売中。

 

 

(初出まにら新聞2024年3月26日号)