18th. July 2017 in South Cotabato
チボリの女性が織りあげたティナラック。
チボリの女性が織りあげたティナラック。
伝統衣装をまとってストリートに登場!
(祭りシリーズ最終回)
~ミンダナオの先住民、チボリのふるさとフェス~
伝統織物ティナラックの衣装で楽器をたずさえて踊る、
ティナラック祭り
南コタバト州コロナダル市
T’nalak Festival, celebrated every month of July, commemorates the founding of South Cotabato. It is held in Koronadal City, the provincial capital. The name of the festival is derived from t’nalak, a colourful fabric made from abaca and woven by women of the T’boli group, the indigenous peoples of South Cotabato. July 2017 marks the 51st anniversary of the province.
ミンダナオ島のゼネラルサントス市内からバスで1時間ほど北に行ったコロナダル市は南コタバト州の州都である。コロナダルは先住民やイスラム教徒、フィリピン各地から開拓民として移住してきたクリスチャンが仲良く暮らす平和な町だ。チボリの人たちは、ここから更に奥地にある美しい高原の景勝地、セブ湖周辺で生活している。
コロナダル市で毎年開かれているのが「ティナラック祭り」だ。南コタバト州の創設を記念して行われる。今年は州創設51周年で、「自分たちのベストを世界でシェアしよう」が祭りのスローガン。18日(火)午前6時からメインイベントであるストリーパレードが行われ、9時から市内にあるスポーツコンプレックスで州創設の記念イベントに合わせて踊りの競技が開催。子どもたちが細かな刺しゅうが入ったティナラック布地の衣装姿で、グランドいっぱいを使ってチームダンスを競う。また市の中心にある会場では祭りの期間中、地産のフルーツや野菜の物産展、コンサートなども行われる。南コタバト州はドリアンがおいしいことでも有名だ。
ティナラックはアバカ(マニラ麻)の繊維を木の葉っぱや皮といっしょに煮て黒と赤に染め織り上げられたかすり模様の布。祭りの名はこの織物から来ており、ティナラックの縦糸と横糸は南コタバトに住む多様な文化をもった人たちの混交、その繊維の強さは人々の結束という意味を持たせている。コロナダル市は今も、ビサヤ地方のパナイ島や東ネグロス州の出身でイロンゴ語を話す人々が多数を占めるいっぽうで、北のタタガン町にはルソン地方の北イロコス出身者が多い。州都にふさわしく、市中にはガイサノモールやジョリビーもある。
アクセス Access
■ マニラからミンダナオ島のゼネラルサントス空港まで飛行機で1時間30分。空港から市内までバンで30分。市内のバスターミナルからコロナダル市まで約1時間。同市は今も旧称「マルベル」で呼ばれることが多い。