日本車といえばと聞かれると、間違いなく必ず挙げられるカーブランドの一つがトヨタ自動車だろう。世界中の誰もが知っているカーブランドといっても過言ではないほど有名なトヨタは、フィリピン進出から今年で35周年を迎えた。その記念イベントとして「トヨタ・ガズー・レーシング・フェスティバル(TOYOTA GAZOO Racing Festival)」がマニラ市のキリノ・グランドスタンドで8月23日と24日の2日間の日程で開催中だ。

 

 

片手運転を披露してみせるラリードライバーの勝田範彦氏

 

 

 23日の午前8時半、早めに到着した筆者は余裕しゃくしゃくといった感じで会場を少し探索していたのだが、早速エンジン音が聞こえてきてドリフトサーキットに目を向ける。するとなんと、イベント開始前からすでに豊田章男会長がトヨタのスポーツカーを軽くドリフトをかましながら運転しているではないか! おそらく本番前のウォーミングアップだかテストドライブだかだったのだろう。今回スペシャルゲストとして日本から豊田会長も来比することは告知されていたが、そんなしょっぱなから運転姿が見られるとは思ってもみなかった。

 

 

イベント開始前、GR86をカジュアルにドラフトしながら運転する豊田会長と助手席のレーシングドライバー佐々木雅弘氏。

 

 

 そして午前10時も近くなってきたころ、イベント開始。1番手でドリフト走行を見せてくれたのはやはり豊田会長。しかし先ほどと打って変わって迫力が全然違う。自らが開発に携わったというGR Yarisのステリングを握り、緩急をつけたドリフトを黒煙を巻き上げながら披露し、未だ現役ドライバー「モリゾウ」としてのパフォーマンスを見せつけてくれた。そのほか日本から来たレーシングドライバーの佐々木雅弘氏とラリードライバーの勝田範彦氏、そして他のフィリピン人ドライバーたちのドリフトにもその迫力にただただ圧倒された。

 

 

客の声援に応える豊田会長。走行後のインタビューでは「アイラブカー!」と力強く連呼する姿が印象的だった。

 

 

 ドライバーたちのドリフトパフォーマンス以外にも、アーティストのステージパフォーマンスやEレーシングコンテストなど盛りだくさんの内容。フェイスブックでライブ配信もしているので、現地に出向けない人も雰囲気を味わえる。しかし、今回、ドリフト走行を間近で目撃した身としては、ぜひ皆さんにもド迫力の音、タイヤが焼けるにおい、立ち上がる煙、そしてスピード感を実際に現地で感じてほしいと思う。入場は無料だが、現地またはウェブサイトから登録が必要。最終日はぜひ現場で楽しんではいかが。

 

 

左から勝田範彦氏、豊田章男会長、トヨタ自動車フィリピンのアルフレッド・V・ティー会長、佐々木雅弘氏。大御所の集合に会場は大盛り上がりだった。