みなさんこんにちは! Kumusta kayo? 今年もバレンタインが近づいてきましたね。日本でバレンタインと言えば、女性が男性にチョコレートを贈るものと決まっていますが、フィリピンでは、この日は恋人同士がカードを交換したり、男性が女性にプレゼントを贈る日です。世界的には、このように男性から女性に花束やギフトを贈る方が一般的です。恋人や妻だけでなく、母親にも日頃の感謝を込めた花束とカードを贈りますし、普段から仲の良い女友達の間でプレゼントやカードを贈りあうこともあります。
__バレンタイン・デーのことは英語で”St. Valentine’s Day”と呼ぶのが一般的ですが、カトリック以外の人もいることを考慮し、タガログ語では”Araw ng mga puso”(ハートの日)とも呼ばれます。そして男性も女性も、”Happy Valentine’s” または”Maligayang Araw ng mga Puso” (楽しいハートの日を)と挨拶を交わし合います。
__フィリピン人男性はロマンチックだと言うのが定説ですが、フィリピンでは「釣った魚に餌はやらない」は通用しないので、フィリピン人男性も大変です。プレゼントにはもちろん愛を込めたメッセージを添えて。タガログ語には「愛しています」という表現がいくつもあり、 “Iniibig kita.(イニイビッグ・キタ)” “ Sinisinta kita.(シニシンタ・キタ)” “Iniirog kita.(イニイロッグ・キタ)” “Minamahal kita.(ミナマハル・キタ)” のように詩的な表現から、上記「ミナマハル・キタ」を短くした“Mahal kita.(マハル・キタ)”のように一般的な物まで様々です。とはいえ英語も通じますから「アイ・ラブ・ユー」が一番使いやすいかもしれません。
__しかしフィリピンのバレンタインと言えば、やはり深紅のバラの花束です。この日には誰もがバラの花束を贈ろうとするので、バラの価格は高騰します。オフィスで働く妻にバラの花束を送るためにバラの配達サービスを頼む男性も多く、深紅のバラの花束を後ろに積んだバイクの様子は、もはやこの日のマカティの風物詩と言っても良いほどです。筆者の夫も数年前、フィリピン人夫としての義務を果たすべく、バレンタインの花束を花屋にネット注文したまでは良かったのですが、注文が予想外に多く殺到したため、業者が当日配達できないという事態が発生。当日になって、業者から配達できないので配達日を指定しなおすようにというメールが来ました。キャンセルも不可だったので、仕方なく、半年以上後の結婚記念日に配達してもらったのですが、あの時の遅延花束だと思ったら、ありがたみも失せるというものです。
__日本で同じようなことがおこれば、きっと大ニュースになったことでしょうが、「配達日を変更してください」というメール一本で通用する所が、フィリピンらしいですね。皆さんも、せっかく注文したバラが彼女に届かない、なんてことにならないよう、バラの宅配には注意して、楽しいバレンタインをお過ごし下さい。
文:デセンブラーナ悦子 日英・タガログ語通訳。大阪外大フィリピン語学科卒。在学中にフィリピン大学に交換留学。フィリピン人の夫と1992年に結婚、以後マニラに暮らす。趣味はダンスだが、最近は時間が取れないのが悩み。 |