オートバイにサイドカーを取り付けたフィリピンならではの移動手段、トライシクル。通常は人を乗せますがこのトライシクルは日常雑貨を屋根まで満載した移動店でした。
よく見るといろんなものが積まれています。屋根にくくりつけているのはラタン製のゆりかご「ドゥヤン」やほうき、野菜かごなど。そしてハンモックや電灯の笠、麦わら帽子、ちり取り、貯金箱、バッキャと呼ばれているフィリピン下駄、排水溝用のラバーカップ、うちわなどなど、人々が日常の生活で必要とする売れ筋の商品を、サイドカーや運転席の後ろに積んでいました。「店主」は食事でもしていたのか不在でしたが、人の多い場所を回りながら行商しているのでしょう。一昔前までは、荷車に雑貨を積み水牛にひかせた行商人もいましたが最近ではあまり見かけなくなりました。
ここインファンタは南シナ海に面した漁村で、中国との領有権をめぐり話題となっているスカボロー礁に1週間以上をかけて漁船を繰り出す、勇敢な漁師たちが住む町です。
 
◎ Navi Manila Vol.29 より