ラグーナ州リリウ町
Liliw, Laguna
ラグーナ州とケソン州にまたがってそびえるバナハウ山(標高2,170㍍)は聖週間中にはたくさんの巡礼者が訪れる場所で(現在は入山が制限中)、「聖山」とも呼ばれています。そのふもとから中腹にかけてある細長い町リリウ。坂を上ったところに赤レンガの教会と白い外壁の2階建ての町役場がある、見晴らしの良い町です。その坂道の途中にある露店で、山でとれた珍しいフルーツや野菜が並んでいました。山の自然の恵みとでも言うのでしょうか、大きな房ごとのバナナやタマネギのように皮をむいていくと芯だけになってしまいそうな不思議なフルーツ「カトゥモン」、パコという名前の日本のワラビの若芽に似た山菜まで、色も種類も豊富です。カトゥモンは酸っぱいのでシニガンスープの味付けや薬用にもなるそうです。見かけがブドウのようなドゥハットは少し渋みがあって甘酸っぱい味がします。中に種があり日本のナツメのような食感でした。
ここリリウは戦前から続く手作りシューズの産地で、「チネラス(サンダル)のキャピタル」と呼ばれています。一足200㌷くらいですが、安くて丈夫と評判らしく近隣の町にも出荷されています。バナハウ山の散策に来たついでに靴やサンダルをお土産に買って帰る観光客も多いようです。
(写真と文:ミッシェル・ゴー)