時のたつのは早いとつくづく思う。はや1年。昨年マニラ首都圏に強化コミュニティ防疫(ECQ)が発令されて、一般コミュニティ防疫(GCQ)まで行って、最初のECQから約1年たってからまたECQ。ロックダウンに備えてスーパーマーケットに買い出しの大行列をデジャブのように見るのも1年ぶり。そして、この3月末は私が「交通整理員」から取り締まりというか恐喝を受けてからちょうど1周年である。

 

 

 去年のこの「事件」の時の外出禁止は午後8時以降だったが、今回のECQでは午後6時。メディアの社員証があれば外出禁止時間外でも大丈夫と聞くけれど、変なことに巻き込まれないようように、今は午後6時前にはちゃんと帰宅するようにしている。ひと気のない夕暮れの中、仕事熱心な「交通整理員」の方にメディアのIDは役に立つのかどうかわからないし・・・・・・。

 

 

 「マニラはあぶない」と言われるのを聞くと、「マニラに来たことも、住んだこともないのに勝手なこと言うな」と否定したいのだが、自分がこのような目に合うと否定しても説得力がない。そして先日、日本人の知人から、さらに怖い話を聞いた。

 

 

 彼は首都圏某市のバランガイのローカルな食堂でフィリピン人の友人たちと食事をしていた。時間は夜10時すぎ。当時は今回のECQ前で、 まだ外出制限の時間帯ではない。

 

 

 そこへ2台のパトカーがやってきて、ソーシャルディスタンス違反およびマスク未着用で摘発されたのだという。そもそもソーシャルディスタンスを無視して店内で飲食させているのは店の方であり、食事中にマスクを外すのは当たり前なのだが、警察は当然聞く耳持たず。しかも警察官と店主は談笑。そして、なぜか男性だけが取り締まりを受け、女性はおとがめなし。

 

(イメージ写真)

 

 知人は尋問を受けた後、IDを没収されて後日シティホールで罰金を払うための切符を受け取り、ようやく解放された。その場で罰金を取られなかったのは珍しいケースだと思うが、知人が言うにはおそらく店側と警察によるセットアップだったのだろうとのこと。

 

 

 そして帰宅が許された後、フィリピン人の友人が、取り調べ中に耳にしたという警察官の会話について教えてくれた。警察官は、「そこの2人をパトカーで連れ出して、殺すか」と相談していたそうである。どうやらその2人に知人も含まれていたらしい。

 

 

 

 こういう話を聞くとやはりマニラは怖いと思わざるを得ない。早くコロナ禍が終わって、店や警察がセットアップしやすい状況がなくなってほしいと思う。

 

 

 ちなみにこの件の知人はシティホールに出頭し、申し立てをしたところ結局、罰金を払わずに済んだとのこと。殺されず、罰金も払わずに済んだのはラッキーである。(T)