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コミュニティ防疫 体験記 取り締まりか、恐喝か

2020年6月6日

「事件」の現場。当時はひと気が全くなく、異様な雰囲気だった。

 

 

「外出禁止時間」が繰り上がった?  

 

 コミュニティ防疫中の3月30日、午後7時15分頃のこと。仕事を終えて徒歩で帰宅途中、防疫で早く閉店したウォルターマートマカティ入口付近のひと気がないところで呼び止められた。
 バイクに乗り、制服姿で黒いマスクを着けた男が、私に外出禁止時間を過ぎて、どこに行くのかと聞いてきた。私は「外出禁止は午後8時以降のはず。すぐそばのコンドミニアムの自宅に帰るところだ」と返答すると、「外出禁止時間は早くなった」という。いったい早まって何時になったのか何度聞いても男は答えない。IDを見せろというのでまにら新聞の社員証を提示すると、男はそのまま取り上げた。
 もう1人のバイク警官風の男がやって来て、「これからStationへ連行する。帰宅は明朝になる」と言う。私はPolice Stationに行くのかと確認すると、そうだという。私は警察署へ行くことに同意した。警察で1泊した体験記を書けると思った一方、男たちは強盗でどこかへ連れて行かれて身ぐるみはがされるかもしれないと怖くもあった。会社に電話したいという私の要望は却下され、「警察署に行ってから電話して、同僚に罰金を持ってきてもらうことになる」と言われた。  

 

私の容疑も男の態度も変化

 

 検疫証明パス(Home Quarantine Pass)を持っているかと聞かれたので、私が住むコンドミニアムでは買い物に外出するときに借り、その都度返却することになっているので今は持っていないと答えた。すると、男は検疫証明パスの不携帯違反だと言ってきた。これ以降、私の容疑は当初の外出時間違反から、検疫証明パスの不携帯違反に変わった。男はスマホの画面を見せ、罰金は5,000ペソから1万ペソになると言ってきた。スマホのメッセージ画面に何か書いてあったが、よく読めなかった。そして、男は今この場で罰金を払えるかと聞いてきた。私は持ち合わせがないと伝えた。ATMに行けば引き出せると言ってみたところ、男はそうすべきだと言って私を近くのATMへ連れて行った。
 この時、男たちのすきをついて逃げることも考えた。しかし、マカティスクエアの近い入り口も閉まっていて、逃げ込めそうなところはない。また、容疑者が抵抗したという口実で危害を加えられたり、口封じのために銃で撃たれて殺されてしまうかもしれないと思い、逃げることはあきらめた。

 

「危ないマニラ」の洗礼 
 

 男は無地の紙に私の名前がボールペンで英語で書いてあるのを見せて、サインをしろと言ってきた。書かれた私の苗字の綴りが違っていることを指摘すると、男は問題ないと言う。私の前に数人の名前が書いてあった。5,000ぺソを払うと社員証が返され、次に検疫証明パスの不携帯違反をしたら罰金1万ペソだと言われた。罰金の受領証はもらえず、男は最後にThank youと言って去っていった。
直後は正式な取り締まりだったのか恐喝なのか、わからなった。フィリピン人の同僚や友人に聞くと、悪徳交通整理員がお金を取るために私を狙ったのだろうという。警察官などによるこのような恐喝行為をタガログ語のスラングでKotongというのだそうだ。
 マニラに住んで3年半、これまで危ない目にあったことはなかったが、今回の一件は、危ないマニラの洗礼を受けたような気分である。マカティ警察に詳細な顛末を報告したところ、本件について調査をするとの返事があった。
 この私の体験は、まにら新聞にも恐喝の疑いがある事件として掲載された。新聞記事になったのだから、取られた5,000ペソは取材費として扱われると期待し、経費として申請してみた。今のところ経理からの反応はない。(T)