フィリピンドリアン、中国市場へ

 

[9月8日・インクワイアラー]ダバオ産ドリアンが世界最大フルーツ輸入国の中国へ輸出されることが決定した。在比中国大使はフィリピンから中国へのドリアンの輸出を承認。その際、「味や品質も良く、中国人好み」と評価したうえで、「ミンダナオ地方の地元農家たちの生活水準が底上げされるだろう」と語った。

 

ドリアンイメージ

 

 なかなかに強烈なにおいを放つドリアン。室内に持ち込めばもちろんのこと、誰かが今朝食べましたなんていうのもにおいで当てられるほど。マレーシアのようなドリアン大国では、電車内や建物内に、禁煙や飲食禁止マークと並んでドリアン禁止マークが出されていることもある。

 

 中国は世界でも随一の消費者大国で、フルーツに関しても輸入額世界第1位。フィリピンではそこまで一般的に楽しまれているイメージのないドリアンだが、この中国進出をきっかけに関連産業が盛り上がることが期待される。まるであのなんとも形容しがたい独特で強烈なにおいとともに、フィリピンのドリアン産業の成功のにおいも漂ってくるようである。

 

アンクル・ロジャー、アメリカ風アドボに物申す

 

[8月30日・フィリピンスター]皆さんは「ハイヤー!」という独特のリアクションでおなじみのアンクル・ロジャー(Uncle Roger)をご存じだろうか。ロンドンを拠点として活動する中華系マレーシア人のコメディアン、ナイジェル・ン(Nigel Ng)が演じるキャラクターなのだが、そのマレーシア訛りの強い英語で欧米人がつくるアジアの料理を面白おかしくつっこむコンテンツが数年前からネットで人気を集めている。

 

 今回彼に標的にされたのはアメリカ人シェフのジェフリー・ザカリアン。とある料理番組でフィリピン料理の定番、アドボを披露したのだが、その際使用したのは減塩醤油。そして控えめの量のニンニク。極めつけにハバネロを投入。これに対してロジャーおじさんは「減塩醤油なんてハイカラなものはありえない」「あんなニンニクの量はゼロにも等しい」「ハバネロなんてフィリピンでは育たない」など次々と厳しいコメントを浴びせた。

 

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アドボイメージ

 

 動画のコメント欄を見る限り、ロジャーおじさんの指摘は間違っていないようだ。コメントを残したフィリピン人の多くが動画内のロジャーおじさんに賛同。「私たちの代わりに指摘してくれてありがとう」とまでのコメントも見受けられた

 

 第三者目線でこのような動画を楽しむ私たち日本人だが、外国人として海外に住む私たちも実は他人事の話ではない。海外にある日本料理チェーン店などに足を運んだ際に「これは日本食とは呼べないな…」と思ったことは少なからず一度はあるのではないだろうか。

 

 どうしてもその国の好みに合わせて、味や具材がローカライズされてしまうのはやむを得ないが、それでも自分の慣れ親しんだ料理とはかなり異なるものを同じ料理として提供されるのは、正直どうしても納得がいかない部分がある。ロジャーおじさんのような「いじり(roasting)」コンテンツは時に賛否両論分かれるものだが、やはり私たちにはロジャーおじさんのように皆を代表して率直に「ハイヤー!これは違う!」と述べてくれる人が必要なのかもしれない。

 

噂話好きすぎるフィリピン人?

 

[9月7日・フィリピンスター]マニラのルイ・アントニオ・カーディナル・タグル大司教は、自身のフェイスブックにショート動画を投稿。その動画内で、噂よりも別の善い行いや主のお言葉に耳を傾けるよう国民を指導した。今や人々は噂を聞き洩らしてしまうことを恐れてさえいると彼は指摘。「噂に気を取られすぎて、主の声が耳に届いていないのでは」と懸念を示した。

 

 フィリピンでは噂好き、ゴシップ好きでいつもそのようなことを話している人のことを指す「マリテス(marites」という言葉すら存在する。それだけゴシップ好きが多いということだろう。正直どの国に行っても「他の人には言わないでね」「わかった、言わないよ」という会話ほど信用ならないものはないと思うのだが、どうやらフィリピンの噂好きはそれを上回るものがあるらしい。

 

 実際に筆者自身まだ来比してそこまで時間は経っていないのだが、こちらでできた友達から「これは秘密なんだけど……」というフレーズで始まる話をすでに何回か聞いたことがある。一体本当に秘密なのか、そしてその秘密はきちんと守られているのだろうか。というか秘密話を聞かせてくれなんて頼んですらいないのに、勝手にこちらに暴露してしまっている時点で全然秘密にできていない。極論すれば、秘密というのは自分の中だけに留めてこそ本当の秘密なのかもしれない。