7月13日から15日の3日間、首都圏パサイ市のフィリピン文化センター（CCP）エリアを会場に、アリワン・フィエスタ（Aliwan Fiesta）が開かれました。フィリピン各地で行われている祭りがマニラに一堂に会して繰り広げられた「フィリピン最大のフィエスタ」を偏愛的にレポートします。

手作りアクセサリーを売るビサヤ地方イロイロの女性

祭りの総合展示会

Aliwanとは、タガログ語でエンターテインメントという意味。開催期間中、名産品の即売会「リージョナル・バザール」、地元アーティストのコンサート、各地の代表が「アリワン・クイーン（Reyna ng Aliwan) 」をめざすミス・コンテスト、そして最終日に各地の祭りに登場するフロート（山車）によるパレードとストリートダンス・コンテストなどが行われた。

パレードの出番を待つミンダナオ地方コタバト市のフロート。

各地で盛大な祭りが開催される「祭りの国フィリピン」ならではのイベントであり、マニラ在住外国人にとっては知る機会がない地方の多様な文化を知ることができるのが、この祭りの魅力だ。マニラ近隣の州やセブ、さらにミンダナオ地方からも多くの参加者がいて、フィリピン人同士の交流の場でもあったと期待したい。

ネグロス・オキシデンタル州ビクトリアス市カダラグアン・フェスティバル（Kadalag-An Festival)（上）、リサール州タイタイ市ハマカ・フェスティバル（Hamaka Festival)（下）のパフォーマーたち。各地の代表がユニークなコスチューム姿でストリートダンス・コンテストで見事な踊りを披露。 YouTubeでご覧いただきたい。

リージョナル・バザールでは、地方色豊かな手工芸品、雑貨、木工家具、飲食品などが売られていて、地元フィリピン人やこの時期にマニラに来ていたラッキーな外国人観光客でにぎわっていた。

多くの人でにぎわうリージョナル・バザール。

食欲はなにものにも勝る

筆者が行った最終日、バザールで一番人気だったのは南イロコス州ビガン（Vigan）のエンパナーダとロンガニサ。食べ物の出店がほかになかったせいか、エンパナーダの屋台に客が集中したようで、行列ができていた。マニラのロンガニサは甘くて個人的にどうにも好きになれないのだが、地方のロンガニサはいろいろな味の特色があって美味。

大人気だった南イロコス州ビガンのエンパナーダ。

このビガンのロンガニサは、ネットで「フィリピンのベスト・ロンガニサ」と紹介されたことがある。両端が糸で固く結ばれ、見た目がいかにも手作りの腸詰めという感じ。ニンニクとスパイスが効き、ジューシーな肉汁が口の中ではじけて絶品の味と食感を楽しめる。私にとって、このアリワン・フィエスタのメインイベントは、このビガンのロンガニサとの出会いであった。しっかりイロコスの食文化のすばらしさを堪能できた。

ビガン名物のロンガニサ。茹でた後、ロンガニサの中に詰まった肉汁で炒める。

来年のアリワン・フィエスタにはもっと多くの食べ物の屋台が出ることを願いたい。また今回は見逃したが、来年はミス・コンテストも見ようと思う。最近は国際的に批判が高まっているミスコンだが、アリワン・フィエスタでは水着審査もある。世界の動向はどうであれ、フィリピン最大の祭りは我が道を行くのだ。祭りは終わったばかりだが、来年のアリワン・フィエスタが待ち遠しい。(T)