いきなり旅行記
フィリピンの観光名所を初めて訪れた 記者が思うままに旅を綴る。
身も心も引き締まる街「バギオ」
12月上旬、初めてバギオに行った。2泊3日、観光名所を巡るわけでもなく、ただボーッと過ごしたので、「バギオに行くならぜひここに!」という情報は紹介できない。そこで「こんな時はバギオに行ってみたら?」をテーマに書いてみた。
① バス旅行がしたい時
マニラからバギオまでバスで5時間~7時間。昔、米国や豪州でグレイハウンドに乗ってバス旅行をした人は、きっとバックバッカー時代を懐かしく思い出すだろう。筆者は曲がりくねった山道で気分が悪くなった。
② めざせ、東南アジア3大高原制覇
東南アジアは暑いというイメージを覆すバギオ。高原の避暑地は他の東南アジアの国にもあり、例えば マレーシアにはゲンティンハイランドやベトナムにはダラットがある。バギオ、ゲンティンハイランド、ダラットの「アセアン3大高原」(筆者命名)制覇を提案したい。
③ 運動不足を感じた時
怠けた体に喝(かつ)を入れてくれるのは、ピリッと冷たい気候だけではない。坂の街・バギオはいたるところ坂道があり、歩くことを要求する。筆者はしっかり筋肉痛になった。もちろん、坂を愛してやまない「坂マニア」の人にもバギオはピッタリの街。
④ 生活の乱れが気になる時
バギオの夜は早い。中心街から離れれば、夜8時には暗闇と静寂に包まれる。長旅や坂を歩いたおかげで爆睡。翌朝、ニワトリの鳴き声や犬の遠吠えを聞きながら目が覚める。ひんやりとした空気の中、いつもより早く起きる。冬を思わせる寒さだからこそ早朝がいい。「冬はつとめて」(『枕草子』清少納言)である。
⑤ ぼったくりタクシーにこりごりな時
法外な料金をふっかけてくるマニラのタクシーに人間不信になりかけているなら、バギオに行けば救われるかもしれない。運転手はメーターを使い、おつりもちゃんと渡してくれる。思わず「おつりはいりません」と言いたくなる心地よさ。
⑥ おいしい料理とビールが欲しい時
旅行ガイド『ロンリープラネット』によると、バギオはフィリピン屈指の美食の街。ビール党にうれしいバギオ・クラフトブリュワリー(Baguio Craft Brewery)では、地ビールが180ペソから楽しめる。同店のフィッシュ&チップスはこれまでマニラで食べたものよりもおいしかった。
⑦「〇〇の首都」巡りをしたい時
「フィリピンの〇〇の首都」と呼ばれる都市がある。バギオは3月から5月に政府機関が移転していたことから「夏の首都」と呼ばれる。パンガシナン州ダグパン市はバグス(ミルクフィッシュ)、首都圏マリキナ市は靴、ビサヤ地方カピス州ロハス市はシーフード、ミンダナオ地方ジェネラルサントスはマグロの首都である。首都巡りをテーマに旅行してみては?(T)