【セブ通信】セブ一軒家暮らしの醍醐味

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2022年1月7日

蝶谷 正明(セブ日本人会)

 

 

 我が家のセブ暮らしは間もなく15年になり、現在は2軒目の一戸建て住宅に住んでいます。移住して来た2007年当時、日本人のほとんどは一戸建てに住んでいました。ここ数年で雨後の筍のようにコンドミニアムが林立するようになりましたが、当時はわずか数棟しかありませんでした。セブは山がちとはいえ、土地に余裕があるのか市内のいたるところにビレッジがあります。今の家は自然環境、立地、オーナーについても満足度は最高です。

 

 一戸建ての醍醐味は、日本で庶民には無縁の空間的贅沢に尽きます。知り合いの日本人建築士が初めて我が家を訪れた時の第一声は「無駄が多過ぎる家」でしたが、訪問が重なるにつれ「この空間がすばらしい。うらやましい」に変わっていきました。

 

 

昨年、クリスマス前の我が家にて。フィリピンと異なり、妻の祖国ドイツの伝統でメインのクリスマスツリーはクリスマスイブにならないと飾らない。

 

 

 日本であれば2部屋は造れる吹き抜け、高い天井や広々した窓。ベランダやテラスには自然の空気が流れるように、エアコンのない時代にいかに快適に南国の生活を送れるかを考えた設計です。床にもスペイン時代の伝統が生きており、1階は来客をもてなすパブリックスペースなので石、2階は家族が寛げるように木が使われています。各寝室にバスタブはないものの、浴室があるのもうれしいです。

 

 築30余年とはいえ、しっかりメンテナンスされているので、細かいことに目をつぶれば終の住処にしたくなります。窓の鉄格子、塀の上の鉄条網は目障りですが。一戸建てはプールやテニスコート付きの豪邸ばかりではありません。古めの家だと家賃もコンドに比べてかなりお値打ちです。一生のある時期をこんな家で送れるのもセブ暮らしの醍醐味かもしれません。

 

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