【セブ通信】都市の緑と民度の相関関係

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2022年5月6日

 

蝶谷正明(セブ日本人会)

 

 

 ここ数年続いているセブの高層ビルの建築ラッシュは、コロナ禍などどこ吹く風のようです。特に集中しているのはアヤラビジネスパークとITパークですが、こんな所にもと言いたくなる地域で、タワークレーンが稼働しています。

 

 アヤラビジネスパークの前身はゴルフ場、ITパークは飛行場とインターナショナルスクールでした。前者は最近までコースの芝や枝を大きく広げたナラなどの高木が各所に残り、かつての面影をしのぶことができましたが、すでに木々は倒され、芝は剥がされてトタン板で目隠しされたところが目立ちます。ITパークはインターナショナルスクールの跡地が20年ほど放置されて雑木林になっていたのですが、先頃伐採が始まりました。

 

 セブには誰でも自由に利用できる公園が皆無です。ビルの上から見ると、周辺はもとより中心部にもまだ緑はあるのですが、多くは個人の邸宅や役所です。緑地をたっぷり残しているマニラ首都圏マカティの都市計画には羨望を禁じ得ません。

 

 

伐採が進むITパーク。インターナショナルスクールの跡地の雑木林が伐採され、新たにビルの建設が予定されている。

 

 

 近年のセブの様子を見ると、コンクリートジャングルという古い言葉が思い出されます。私のような外国人が嘆いてもどうにもなるはずがありませんが、行政やデベロッパーの見識が試されるところではないでしょうか?

 

 現在、開発が急速に進んでいるセブ市南部のサウス・ロード・プロパティーズ(SRP)の広大な埋立地は、計画案の画像を見る限り、一定の緑地は確保されているようです。海に面した遊歩道と、広々した公園ができることを期待しています。

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