セブで増加中。インド人の若者&本格インド料理

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2020年6月6日

 

 蝶谷 正明(セブ日本人会)

 

 

  フィリピンには戦前からインド人のコミュニティがあったことが知られています。1942年にマニラのルネタ公園で行われた日本軍の軍事パレードでも当時友好国民だったドイツ人、イタリア人とともにIndian Communityと大書きした横断幕を押し立てたインド人の一隊が行進している映像が残っています。当時のセブの実態はよく分かりませんが、彼らは華僑と並ぶ印僑として19世紀からアジア各地で旺盛な商業活動をしていました。銀行が一般庶民に縁のない時代には金融業も重要な業種だったそう で、今でも個人経営の金貸しがバイクにまたがりフィリピン人相手に稼いでいるとも聞きます。

マボロ地区のヒンズー教寺院Cebu Indian Hindu Temple

 セブのマボロ地区の幹線道路から少し脇道に入った場所に、こじんまりしたヒンズー教の寺院があります。本来であればさまざまな神様の極彩色の像で埋め尽くされる塔は、ここでは白一色のノッペリした簡易型。数十年前に自分たちのアイデンティティを確立するために浄財を集めて建立されたそうです。近所にはインド人経営の食材店もあります。

 

 ご存知の通り、セブは国際的なITセンターであり、IT業界でのインド人の活躍は有名です。ITパークにはさぞインド系企業でインド人の専門家が働いているかと思えば、実際にはほとんどないようです。しかし、ここ数年でインド人の留学生が急増している地域があります。バニラドです。ビサヤ大学の医学部にインド系の資金が入ったとか買収されたとかいう噂がありますが、実態はよく分かりません。確かにインド人青年男女の姿をキャンパス周辺やモールで驚くほど目にするようにはなりました。前は近くのサンカルロス大学に学ぶアフリカやパプアニューギニアの学生が目立ったのですが、インド人と入れ替わった形です。彼らがセブで医学を修め、母国ばかりか世界中で活躍する日も近そうです。医療従事者の免許は国によって規制が厳しいようですが、なんらかの方法があるのでしょう。

 

 ビサヤ大学の近隣にはインド料理店が5軒あります。いずれもインド人オーナーの本格派です。以前からあった2店の他にここ2年ほどで3店がオープン。学生向けの営業方針の店には1カ月契約でランチ2,000ペソ、ディナー2,500ペソ、2食で3,000ペソという貼り紙があります。ベジタリアンカレーなら1人前100ペソ前後。デリバリーもしてくれますから我々在住者にも便利です。客層はインド人の若者がほとんどですが、最近はフィリピン人や外国人の姿も見られるようになりました。

 

 

 

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