【セブ通信】本格ベーカリー続々 セブにおけるパンの進化

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2021年11月12日

蝶谷 正明(セブ日本人会)

 

 

 2007年1月、私は一家の移住に備えて、セブの様子を事前調査に来ました。家や子どもが通う学校については、ほぼ問題ないと判明してホッとしたのですが、宿泊した中級ホテルの朝食が問題でした。食パンが甘かったのです。

 

 

 ホテル従業員や親しくなった日本人に聞くと、セブではパンは甘いものと言われ、毎日食べるパンに困りました。結局、日本からの引っ越し荷物にホームベーカリーが加わることに。しかし、いざセブに来てみると、まさに現実は案ずるより産むが易し。当時、住んでいたビレッジの徒歩圏内にイタリア系ベーカリーチェーンがあり、フランスパンとその他何種類のパンは甘くなく、ケーキも日本人の許容範囲。その他はフィリピンスタンダードでしたが。したがって、日々の食卓で活躍すると鳴り物入りで持ち込んだホームベーカリーは、ほこりを被ったままになりました。

 

 

 その後、続々とドイツ、イタリア、フランス、スイス人オーナーの本格的なパン屋がオープンしたのです。さらに台湾人がつくるあんパン、日本人女性による特製食パンとカレーパンといった具合に、在留邦人を熱狂させるパンが登場しました。

 

 

プレッツェル(左)、各種ライ麦パン(右)が並ぶベーカリー

 

 

 

 我が家の近くのスイス系ベーカリーには、ドイツ系伝統のライ麦全粒粉にスーパーフードとして注目されるチアシード、ナッツ、木炭などを配合した天然酵母パンや、製造過程で水酸化ナトリウムを使うプレッツェルがあります。数年前にインド系マレーシア人がこの店を承継し、どうなることかと心配していたのですが、しっかり顧客ニーズをつかんでいたようでほぼ品質が保たれて安心しました。穀物の香り豊かなどっしりしたパンはたっぷりバターを塗ってチーズをのせれば2、3切れで心地良い満腹感を得られます。我が家の朝食は和食が多いのですが、週に1〜2度はヨーグルト、フルーツと一緒にパンを楽しみます。

 

 

 人気ベーカリーでは当日中に売り切れ必至ですが、売れ残ったパンは、翌日半額以下で提供されます。こんなお得なパンに出会うのも、ベーカリーに行く楽しみです。

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