by: 蝶谷 正明(セブ日本人会)

 

 セブでコロナによる規制が始まって11月で8カ月になりました。身近でいろいろな変化があります。我が家があるビレッジはメインストリートから150mばかり脇道を入った所にゲートがあるのですが、この道には有名なレストランが軒を連ねていたり、スクワッター(不法占拠者)がいたりと混沌としています。

 

 

 強化コミュニティ防疫(ECQ)が始まって間もない頃、誰もが食料品の買い出しにも疑心暗鬼だった時、ゲート手前に戸板一枚の野菜のベンダー(露店)が開店しました。ある日何気なくのぞいてみたところ、ナス、キュウリ、ダイコン、ネギ、オクラ、サヨテなど、どれも肌がツヤツヤでみずみずしく、スーパーの野菜とは比べものにならないほど。しかも値段は2、3割安。さっそく買ってみたところ、久しぶりにおいしい野菜にめぐり会ったと思いました。

 

見た目はいまいちな露店だが、売っている野菜は新鮮でおいしい。

 

 ベンダーのお姉さんに聞くと、セブ市の中心から30分、標高4,500mのブサイで今朝採れた野菜とのこと。それからは浮気せず野菜を買うのはこの店だけ。山の畑とは別の仕入ルートから入ってくるとおぼしきジャガイモやタマネギなど種類も増えました。レタスはありませんが、バナナ、パパイヤ、マンゴー、卵も並びます。

 

 この小さなビジネスには元締めがいるらしく、商品の欠品もなく、店とは不釣り合いなデジタルのはかりで計算し、データが記録されているようです。そして、知らず知らずのうちに値上がりし、スーパーとそれほど変わらなくなってきました。しかし、新鮮な野菜とお姉さんの笑顔があるうちは、お得意さんを続けようと思う今日この頃です。