【セブ通信】鮮魚なら地元市場におまかせ

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2021年12月7日

  蝶谷 正明(セブ日本人会

 

 

 セブの市場といえば、各種情報サイトでお馴染みのカルボンや在留邦人間では知る人ぞ知るパシルがあります。しかしこれらは業者や大量購入者がお得意様で、見学はともかく個人の買い物には敷居が高い。またセブで一番物騒なエリアだともいわれていて、私は2007年にセブに来てからまだ足を踏み入れたことがありません。

 

 私が行くのは、自宅の近くにあるカバンカランマーケットです。トタン屋根にセメント床、吹きさらしで、庶民向けなこのマーケットの売りは、なんと言っても鮮魚。朝夕2回、漁港から直送される新鮮な魚介を見て、その手頃な値段を考えると、魚を買いにスーパーマーケットへ行く必要がなくなります。

 

 

 マーケット全体に生臭さはなく、イワシ、アジ、タイ、マグロ、さらにエビやイカ、タコなどがキラキラ輝いて並んでいます。魚の目やエラを見ても鮮度抜群なのは一目瞭然。店のおばさんに頼めば、手際よくさばいてくれます。友人はここで買った魚を刺身にして楽しんでいて、私も時々お相伴にあずかります。私自身では主にアジ、イワシ、カマスは塩焼きに、小ぶりなタイやメバルは煮魚にしています。イワシなら1キロ70ペソ、アジは180ペソくらいからあり、私と愛犬が一緒に食べても500gあれば食べきれないほどです。 

 

カバンカランマーケットの魚売り場。無造作に並べられているが、鮮度は抜群

 

 

 粗塩をたっぷりふって焦げすぎかと思うくらいの炭火焼きにし、大根おろしを添える。あとはビールがあれば、もう何もいりません。スッと抜いた骨は頭といっしょに待ち構えている犬の口に直行です。豆アジは、よく揚げて南蛮漬けにすれば頭も骨もおいしく食べられますし、煮魚は濃い目に醤油とみりん、生姜をきかせて煮上げます。日本酒抜きでつくる貝の酒蒸しは、滋味溢れた逸品。よく砂抜きしたアサリのような貝に少し水を加え、蓋をして火にかけるだけ。塩や醤油などを加えない方が、より貝の旨味を楽しめます。

 

 

 こんなふうに、いかに簡単に満足するかが、素人料理の醍醐味。フィリピンの魚は日本の魚のように脂がのっていないなどとないものねだりはせず、地元セブの新鮮な海の幸を存分に楽しんでいます。

 

 

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