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コロナ禍の中の寂しい戦没者慰霊祭

2020年9月7日

蝶谷 正明(セブ日本人会)

 

 今年も8月15日に恒例の日本人会主催のセブ島観音戦没者慰霊祭が催されました。近年は日本からの関係者、語学留学の若者の参加もあり、毎回100人前後の邦人が集まる盛況な式となっていました。例年であれば、式次第はセブ領事事務所長、日本人商工会会頭、セブ日本人会会長のご挨拶、献花、焼香、献杯が行われ、更に往時の戦況解説、懇親会と続きます。

 しかし、今年はコロナ禍の最中であり、前代未聞の状況を呈することになりました。松田日本人会会長、マルコポーロホテル代表以下、わずか数名のみが観音さまの前に花を手向け、セブ、レイテの慰霊事業に長年貢献し僧籍を取得された石田武禅元日本人会会長が絞り出すように読経されました。

 

コロナ禍の中、参列の人数を制限して行われた今年のセブ島観音戦没者慰霊祭

 

 セブ日本人会としても長く続いているこの式典を現在のコロナ禍でいかに執り行うか議論がなされました。当然のことではありますが、参加希望者の健康保持のため一般コミュニティー防疫の規制遵守が最優先され、志のある方には自宅、職場での参加を呼びかけました。

 敗戦75年という節目の年に、このような慰霊祭になるとはつい2、3カ月前までは想像もつかないことでした。100年前にはスペイン風邪が第1次世界大戦を上回る惨禍を人類に与え、75年前には第2次世界大戦が終結しました。いずれの天災、人災にも徹底的に痛めつけられた人類は再起を果たしています。コロナ禍という未曾有の環境下でこの日を迎え、不戦、慰霊の心が戦没の諸霊に、そして現在を生きる人々に伝わることを祈念しています。