2月は「 チョコレート月間」。

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2019年2月13日

 

 

 

フィリピンでは、バレンタインデーがある2月はロマンティックな月とされ、「ラブ・マンス」と呼ばれる。 14日のバレンタインデー は結婚式が多く行われる日でもあり、昨年政府機関 Pag-IBIGファンドが主催した合同結婚式には全国で2,000人以上が参加した(2018年2月14日Pag-IBIG発表)。そして、バレンタインデーといえば、欠かせないのがチョコレート。フィリピンでは日本のように女性から男性にチョコレートを贈る習慣はないが、男性から女性にチョコレートを贈ると喜ばれる。2月はチョコレートが存在感を増す月。そこで、ナビマニラは今月を「チョコレート月間」と提案したい。

 

 

Here Comes the ‘Chocolate Month’

February is called ‘Love Month’ in the Philippines as Valentine’s Day falls on 14 of February and a lot of Filipinos tie the knot at mass wedding ceremonies held nationwide. When it comes to Valentine’s Day in Japan, chocolate is essential. There is a tradition that women give chocolate to their husband, boyfriend, male colleagues etc. In the Philippines it’s the other way around. Men give a gift such as flowers and chocolate to women. Yes, chocolate has a strong presence for Filipinos and Japanese in February. Navi Manila celebrates February as the ‘Chocolate Month’.

 

 

 

 

フィリピンのカカオ・チョコレート事情

歴史あるカカオ生産国
めざせ「チョコレート大国」

 フィリピンでは、チョコレートの原料となるカカオが生産されている。スペインからの修道士によって17世紀にもたらされたのが始まりとされ、フィリピンはカカオ生産の長い歴史を持つ国の一つ。ダバオ市などミンダナオ地方が主要な産地で、年間生産量は約1万1,000トン。

 

 

品質はすでにワールドクラス Bean to Bar チョコレート

 フィリピンは気候、降雨量、平均気温、土壌などの条件がカカオの生育に適しているとされ、特にミンダナオ地方のダバオはこれらの好条件がそろっているという。なおカカオはミンダナオ地方以外の地域でも収穫され、価格帯が異なる複数の種類のカカオを栽培できるのもフィリピンの強み。政府はカカオ豆とチョコレートの輸出を増やすべく、2020年までにカカオ豆を年11万トン生産することを目標に掲げている。
 品質の面では、すでにフィリピンのカカオ豆とチョコレートは国際的に高い評価を得ている。2017年10月にパリで行われた品評会で40カ国から集まった166のカカオ豆の中から、ダバオ産の豆が50の優良カカオ豆に選ばれた。また、国際品評会で受賞しているチョコレートブランドもある。
フィリピンには、カカオ豆栽培からチョコレート製造にいたるまで一貫して行われる「Bean to Bar 」のチョコレートが生産されている。チョコレートに含まれるポリフェノールにはさまざまな健康効果が期待できると注目されており、チョコレートは体にいい食べ物という認識も高まっている。
 フィリピンから日本へ一時帰国の時は、お土産にフィリピン産チョコレートを買って行こう。フィリピンのチョコレートの知名度が海外で上がれば、将来、フィリピンが世界の 「チョコレート大国」となるかもしれない。そんなことを夢見ながら、チョコレートとの甘いひと時を楽しみたい。

 

 

A Long -term Relationship between the philippines and cacao

Cacao, the essential ingredient of chocolate, is produced in the Philippines. The main producing areas are in Mindanao. Cacao production in the Philippines dates to the 17th century. The volume of cocoa production in the country was 35,000 tons per year in the 1990s, however it has decreased to about 11,000 tons because of aging trees and climate effects. The global demand for cacao beans has been growing. The Philippine government aims to increase cacao production to 110,000 tons a year by the year 2020 to export overseas. The Philippines has significant advantages in cacao bean production such as geographic conditions, climate, precipitation, average temperature. As for quality, cacao beans and chocolate produced in the Philippines have won numerous awards in international competitions.
It is said that chocolate may have various health benefits including antioxidants, improving blood flow, protecting skins from the sun damage, boost the function of brain etc. Delicious and nutritious. Chocolate is a super food. Philippine-made genuine ‘Bean to Bar’ chocolates are perfect for your daily treat, a gift on Valentine’s Day and souvenir when visiting family and friends overseas.

Source: Department of Trade and Industry, ‘Policy Briefs No.2017-09 : The Philippines in the Cocoa – Chocolate Global Value Chain’

 

 

 

【フィリピン生まれの「クラフトチョコレート」】

フィリピンには生産者のこだわりが込められた、クラフトビールのように「クラフトチョコレート」と呼びたくなる逸品がある。Proudly Filipinoなチョコレートを紹介。

Craft Chocolates: Proudly Born and Raised in the Philippines. 

The Philippines produces fine chocolates. They are made with locally produced cacao beans and Filipino craftmanship. You’ll love them at first bite.

 

 

世界で数々の賞に輝く 「チョコユニバース」比代表
Internationally Acclaimed Chocolate Representing PH in ‘Choco Universe’

MALAGOS   CHOCOLATE

フィリピンを代表すると言っても過言ではないチョコレートメーカー、マラゴス。ダバオ市バギオ地区マラゴス産カカオを使い、チョコレート製造のすべての工程をマラゴス地域で行い、 カカオの木の育成からチョコレート製造までの「Tree to Bar」を実現している。同社の農場でつくられるカカオは世界ベスト50のカカオ豆に選出され、米農務省と提携してエアルーム(Heirloom)カカオという「カカオのダイヤ」と呼ばれるカカオも栽培。

 高品質のカカオから生まれるマラゴスのチョコレートは2013年からすでに約30の国際的な賞を受賞しており、昨年はイタリアでの国際チョコレートアワードで85%ダークチョコとプラリネが銀賞、ソルトキャラメルと72%ダークチョコが銅賞を獲得した。現在、 シンガポール、ドイツ、日本、英国、米国に輸出されている。マニラ首都圏で購入できる場所は、ウェブサイトhttps://malagoschocolate.com/にて。

 

 

 

注文を受けてからつくる 丹精込めた手作りチョコ

Passion Beyond Expectation Bears Made-to-Order Chocolate

TRUE CHOCOLATE PH

 

 2017年1月、トリーナ・テクソンさんが家族や友達のためにチョコレートを作ったところ好評を博し、起業を勧められたのをきっかけに同年10月に創業。板チョコ、トリュフチョコ、ボンボンは注文を受けてからの手作り。原材料には厳選したベルギー産クーベルチュールチョコレートを使用しているが、ビサヤ地方西ネグロス州産カカオ豆を使ったチョコレートの開発にも取り組んでいる。「私の故郷である西ネグロス州産のカカオを使うことで、現地農家の支援をしたいと考えています」。

 

 

www.facebook.com/truechocolateph/

 

 

 

 

アドボがチョコレートに!? フィリピンらしさ抜群

Unique Filipino Chocolates Made by Chocolate Artisans

Theo and Philo

www.theoandphilo.com

 

 Theoはカカオの学名を略した語で、Philoはギリシャ語で愛、という意味を持つ。2010年の創業以来、ミンダナオ地方ダバオのカカオ豆、バコロドの砂糖、そしてフィリピン人の職人の手によるチョコレートにこだわっている。「フィリピンらしさ」の追求は板チョコにも如実に表れている。チリ、カラマンシ、グリーンマンゴ&ソルト味などのダークチョコ、さらにミルクチョコレートアドボという驚きのチョコも。ひと口食べるとチキンやポークが……出てくるかどうかは、読者の皆さんが確認していただきたい。ちなみにこのアドボチョコレートは同社のダークチョコと一緒に昨年の国際チョコレートアワードで銅賞に輝いている。セオ&フィロのチョコレートはBo’s Coffee, Kultura, Gourdo’s, ECHO Store, and Rustan’sの店舗のほか、ウェブサイトから注文可能。

 

 

チチャロンやエダムチーズ入りも チョコだってスパイシーや塩味に

Chocolate with Pork Chicharon, Queso De Bola Too Unique to Miss Out

HIRAYA

 

  2015年2月に設立されたヒラヤ・チョコレート。ヒラヤという名前は昔のフィリピンの言葉で「人の希望と夢の果実」という意味を持つ。ダバオ市産カカオを使い、首都圏ケソン市で製造される。本格ダークチョコレートのほか、豚皮を揚げたスナックのチチャロンや、クリスマスに食べる球形のエダムチーズ、ケソンデボラ入りといったユニークなチョコレートも。はたしてどんな食感と味なのか……。首都圏ではエルミタのロビンソンにあるGo Lokal!などの店舗のほか、Barapido.com や Foodsource.phなどオンラインショップで販売。

 

 

 

これはチョコレートではない!? 健康効果も期待の「カカオバー」

This is not Chocolate, But Healthy Cacao Bar

Chocoliz

  www.saretorganics.com  
https://www.facebook.com/saretorganics

https://www.instagram.com/saretorganics/

 

 

 ルソン地方ヌエバエシハ州サンタロサやブラカン州ドニャレメディオストリニダッドで農場を運営するサレット・オーガニックファーム(Saret Organic Farmville)が、2018年に開発した“カカオバー”。アウロラ州ディンガラン市とミンダナオ地方ジェネラルサントス市産有機栽培カカオ豆本来の成分を引き出すため、使用する原料や加工は最小限にとどめ、砂糖も使われてない。メーカーによると、カカオの栄養によりさまざまな効能も期待できるという。パッケージにはThis is not Chocolate. This is Cacao. と書いてある通り、カカオ丸ごと感覚の一品。首都圏ではマカティのApotheca Integrative Pharmacy、Echo Store、Go Local、Kultura SM Makatiなどの店舗のほか、有名オンラインショップでも販売中。

 

 

 

定番ダークから創作チョコまで 「食べて笑顔」の思いを込めて

Original and Creative Chocolates Make You ‘SONRISA’

Risa Chocolates

 

 チョコレート作りの情熱が高じて2013年に会社設立に至ったリサチョコレート。カカオ豆はミンダナオ地方南コタバト州およびルソン地方ラグナ州産を使用。板チョコには定番ダークチョコやミルクチョコレートのほか、ベーコン&チリ(!)や、ブラカン州のミルクソフトキャンデー、パスティリャスがチョコレートになったと説明付きの「Pastillas De Pili」などユニークなものも。食べてSonrisa(スペイン語で 笑顔)がリサの願いなんだそう。販売場所は下記ウェブサイトに記載。間もなくマカティ市 のパワープラントモール新館ロックウェル・アット・ザ・グリッド(Rockwell at The Grid)2階にショップもオープン。

http://risa.ph/  
Facebook /risachocolate  
Instagram /risachocolates

 

 

 

 

世代を超えて受け継がれる 農場生まれの自然派チョコ

Nurtured by Family Tradition All Natural Chocolates from Farm

Kablon Farms

http://kablonfarms.com/
www.facebook.com/kablonfarms/

 

 カブロンファームのチョコレートは、ミンダナオ地方南コタバト州トゥピ町カブロンで1960年からパントゥア家4世代に渡る家族経営の農場で栽培されたカカオだけを使ってつくられる。ダークチョコレート、カカオ豆を加熱せずにつくるローチョコレート(Raw Chocolate)ともに有機栽培による自然の原料のみを使用。チョコレ―トはウェブサイトのオンラインショップで販売(配送については問い合わせを)。チョコレートのほかにもジャム、調味料、ココナッツオイル、ドレッシング、マンゴスチンの葉の茶なども製造、販売している。

 

 

 

【チョコっと話】

家の庭にカカオの木 フルーツ感覚で食べる?

カカオの種(カカオ豆)が発酵、乾燥、焙煎、粉砕などのプロセスを経てチョコレートになる。

 

 昨年12月、フィリピン人の友人からカカオの実をもらった。ルソン地方ヌエバビスカヤ州の家の庭から持ってきたという。割って種を覆う白い果肉(?)をしゃぶるというので試してみたら、かすかに甘いような、全く無味のような……。種を割ると中は濃い茶色で、これがチョコの原料になるらしい。もし、バレンタインデーにフィリピンで日本のように女性がチョコレートを渡す習慣があったら、手作りチョコの定義がカカオの栽培から始める ことになりそうで、大変である。

 

 

 

ココアのようでココアじゃない  飲むチョコレート「タブレア」

  フィリピンの物のタブレア(tablea)。正式にはフィリピン語でtsokolate tableaといい、チョコレート・タブレットの意味。2~3個をカップ1杯の湯に溶かしてホットチョコレートとして飲む。そのままかじってみると、メーカーによって甘くないものもあれば、チョコレートとしてそのままでもいけそうなものもあった。ココアとどこが違うのかというと、タブレアの方がカカオの味が強いとされている。常夏フィリピンとホットチョコレートの組み合わせは妙な感じがするが、冷房がガンガン効いたところで飲むにはちょうどいいかなと納得。

タブレアはチョコレート味のフィリピンの粥、チャンプラドにも使われる

                                。

 

フィリピンのチョコが勢ぞろい おみやげ探すなら「KULTURA」
 フィリピン産チョコレートをいろいろ見比べて選びたいなら、おみやげ店のクルトゥラ(KULTURA)がおすすめ。このページで紹介しているブランドもある。SMマカティ、モール・オブ・アジア(MOA)などに店舗があり、フィリピン産の民芸品やTシャツ、I♡MANILAのロゴ入りグッズなどいろいろ。一時帰国のおみやげに「フィリピンらしいもの」を探すときには、ぜひ立ち寄りたい。

 

 

クルトゥラSMマカティ店のフィリピン産チョコレートコーナー。

 

 

 

 

【 Unique Chocolate Expperience】

 

 

チョコレートは料理になってもすご い! チョコレート尽くしの店

MAITRE Chocolatier

 

 チョコレートなしでは生きていけないチョコレート中毒、チョコホリックを自覚するなら忘れてはならない店が、このメートル・ショコラティエ。前菜、サラダ、スープ、ピザ、サンドイッチ、パスタ、ビーフやチキン、ポークを使ったメインディッシュにいたるまで、チョコレートを使ったユニークな創作料理に「こんな料理にまでチョコレートが!」と驚くやら感心するやら。筆者はビーフピザと、ミートソ-スリングイネパスタを注文し、未知の奇抜な味を期待して食べたところ、意外にも普通においしくてまた感心。チョコレートは料理に使われても優秀なのだと改めてチョコに惚れ直した次第。この店ではカクテルにもチョコレートが使われていて、もちろんデザートはチョコレートケーキが充実。文字通りのチョコレート尽くしを体験してみたい。セブ、ダバオにも支店があるので、旅行中にチョコレートを食べたい発作が出たら駆け込もう。

チョコレート入りのビーフピザ

 

 

 

チョコレート入りミートソースリングイネ

 

 

店内のイスもチョコレート色

 

MAITRE Chocolatier
28 Jupiter St., cor. Astra St.,
Brgy. Bel Air, Makati City
Tel: (02) 896-2529 / 717-1106
Mon.-Sat. 9am-12am Midnight
Closed on Sundays

 

 

 

チョコレートの奥深い世界へ「チョコレート博物館」&スパ

Malagos Chocolate Museum

 

 チョコレートブランドのマラゴスが2017年3月、ダバオ市郊外にフィリピン初というチョコレート博物館をオープン。カカオからチョコレートがどのようにつくられるのかを詳しく知ることができる展示や、「チョコレート研究室」では、自分だけのオリジナルチョコレート作りも体験できる。博物館があるマラゴス・ガーデン・リゾートにはチョコレートスパも。チョコレートを使ったトリートメントにはココアバターの働きで美肌効果が期待できるそう。チョコレートとマッサージ。これ以上の至福な時間はあるのだろうか?

 

(上)チョコレート研究室(下)緑豊かな環境にあるチョコレート博物館

Malagos Chocolate Museum

https://malagoschocolate.com/pages/malagos-chocolate-museum

 

 

 

 

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