気をつけようデング熱

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2014年12月6日

 フィリピンで雨期に入るとはやるのがデング熱(デンゲ・フィーバー Dengue Fever)。フィリピンでまず気をつけなければならない病気だ。

 デング熱は熱帯イエ蚊によって媒介されるウィルス性の熱病で、蚊に刺されてから4日から10日後に寒気とともに突然、高熱(39.5度以上)がでる。初期症状は発熱で、その後、節々が痛む、腹痛、腰痛、目の奥が痛む、だるいなどの症状が出る。一部に出血熱といわれる経過をたどるものもあり、小児では死亡する例もあるので十分な安静と経過観察が必要である。その後4日から7日間発熱が続き、全身に発疹が出てくる。発疹は2~3日でかゆみが出て治って行く。それ以降もだるい、無気力などの症状が残り、完全回復までには1ヶ月以上かかる。幸いにデング熱は出血熱やショックという経過をたどらなければ、初期には解熱剤や鎮痛剤のような、症状を軽くする対症療法としての薬を使うだけでよい。急な発熱が出たらすぐに医者にかかり、アスピリンなどの服用は避けること。
デング熱に感染した患者が、発症してから最初の3日間以内に蚊に刺されるとその蚊が感染する。そして蚊が感染してから8日から11日目になると人への感染力をつけ、蚊が生きている間は感染力を持ち続けるといわれている。
予防法はただひとつ、「蚊に刺されないこと」。フィリピンのコンビニで売られている蚊よけローション(たとえば「OFF」)を常備し、屋外であれ喫茶店であれ、蚊が出るような場所では事前に塗っておくことが大切だ。日本人や韓国人は蚊によく刺されるが、フィリピン人は比較的刺されない。入院した友人を見舞いに行って、そこで蚊に刺され、デング熱に感染したという例もあるの注意が必要だ。予防ワクチンはまだ開発されていない。日本でも2014年、デング熱の感染が確認され、東京の代々木公園が閉鎖されるなどの騒ぎになった。

編集: 「ナビ・マニラ」 Navi Manila

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