フィリピノ・ワールド naman 比較・感情の表現

この記事をシェア

2019年2月9日

 みなさんこんにちは!Kumusta kayo? 今回は “naman”(ナマン)をとりあげます。この言葉は会話の中で非常によく使われますが、ニュアンスだけを加える言葉なので、他言語に訳しにくい言葉です。基本的には「~に対して~は~だ」という比較の意味を加えたり、感情を強調する際に使う言葉です。

 

 

1.比較のニュアンス

 

 

 例えば「私はジョンです。こちらは妻のカレンです。」という自己紹介をする場合、“Ako si John. Siya naman si Karen, ang aking asawa.”のように言います。つまり、「私は~です、それに対して彼女は~」のように並列して紹介しているのでnamanを使っています。 同様に「昨日はおかずが肉だったから(それに対して)今日は魚です」という場合、 “Karne kasi ang ulam natin kagabi, kaya isda naman ngayon.”のように言います。

 

 

2.今度は~がする

 

 

 たとえば、子供達が誕生日パーティーでパラヨック(素焼きの鍋)に入れたキャンディーを棒で割るゲームに参加しているとします。「次は自分がやりたい!」と申し出る場合 “Ako naman!(私が!)”あるいは “Ako naman ang gagawa!(私がやります)”と言います。この場合上記1と同様に、今まで他の人がやっていた、それに対して今度は自分が、という比較のニュアンスが込められています。

 

 

3.~というわけではない

 

 

 「~ではない」を表すhindiと組み合わせて “Hindi naman”と言うと、その前に言われたことに対して「~というわけではない」という意味になります。たとえば “Ayaw mong kumain?”(食べたくないの?)と聞かれて “Hindi naman sa ganoon.” または“Hindi naman.”(そういうわけではないよ)のように答えます。

 

 

3.込められた感情を強調する

 

 

 “Ikaw naman!”と言えば「あなたったら」という意味になりますし、 “Tawa ka naman ng tawa.”と言えば「あなたったら笑ってばかりいる」という意味になります。軽い批判が込められた言い方です。もうあきれはてたという場合 “Naman!”のように言うと、日本語で「まったく!」というのと同じで、あきれはてた内容ははっきり言わなくても、批判を込めていることは伝わります。また、 “Ang galing naman kumanta si Sarah!”(サラはなんて上手に歌うんだろう!)のように “Ang (形容詞の語根)naman”という使い方をすると、感嘆表現になります。

 

 

4.また・ふたたび~する

 

 

 「また」とか「再び」という場合は副詞の“na” と組み合わせて “na naman”という使い方をします。 “na”は「すでに」という意味ですから、「すでに~したその上で~する」「すでに~しているのに、また~する」というニュアンスが隠されています。たとえば “Tuyo na naman ang ulam ngayon?”「今日のおかずはまた魚の干物なの?」のように使います。「またあの人そんなこと言ったの?」という場合 “Sinabi na naman niya ‘yon?”のように言います。

 

 

 いかがでしたか?今回は会話の中ではよく使われるnamanについてまとめてみました。会話にかなり慣れ親しんだ方でないとnamanに含まれる微妙なニュアンスは把握しにくいと思いますが、こういうちょっとしたニュアンスの違いが理解できると、会話が一段と楽しくなることと思います。

 

 

 

 

文:デセンブラーナ悦子
日英・タガログ語通訳。大阪外大フィリピン語学科卒。在学中にフィリピン大学に交換留学。フィリピン人の夫と1992年に結婚、以後マニラに暮らす。趣味はダンスだが、最近は時間が取れないのが悩み。