揚げ肉まん激戦区 中華街ビノンド・オンピン通りを行く。

この記事をシェア

2024年4月26日

首都圏マニラ市の中華街ビノンドで一番にぎわうオンピン通り(Ongpin Street)が今、揚げ肉まん(Fried Siopao)の激戦区になりつつある。長年親しまれてきた人気店を中心に、競合店が続々と登場しているのだ。食べ歩きにピッタリのストリートフードであり、まとめて買って持ち帰れば家庭や職場で喜ばれる揚げ肉まん。1個35ペソの「口福」を味わえる6軒を紹介!

 

 

Four Season Garden四季园
フォーシーズン・ガーデン

 

 オンピン通りと言っておきながら、最初に紹介するのはオンピン通りの脇道、タンバカン通り(Tambacan Street)にある店。LRT1号線カリエド駅(Carriedo)から歩いてオンピン通りに行き、まっすぐ進んで左に見えてくるタンバカン通りの入口にフォーシーズン・ガーデンの屋台、その後方に店がある。揚げ肉まんは1個10ペソと、今回紹介する中では最も安い。一般的な揚げ肉まんよりも小ぶりで、これは小籠包では? と思ってしまうが、看板にちゃんと揚げ肉まんと書いてある。中にたっぷり詰まった豚ひき肉は醤油風味の味付け。小さめなので、まとめ買いがおすすめ。中身にチョコレートが入った揚げチョコまんもある。

 

 

 

Jane Modern Store
ジェーン・モダン・ストア

 

 

 オンピン通り入口の貴金属店が並ぶ一画を過ぎると、だんだん飲食店が増えてくる。その中で赤と緑の看板が目印の小さな店がジェーン・モダン・ストア。店名に(Mei Ying)とも書いてあり、フィリピンではよく知られた1972年創業のサトウキビジュース、フレッシュ・ルンピアの名店がリニューアルしたようだ。揚げ肉まんは直径8~9センチ、高さ6センチと大きく、しっとりしてやや甘みも感じられる外皮が厚いので食べ応え十分。休日は夕方前に売り切れてしまうこともある。余裕をもって早めに行きたい。

 

 

 

Oishiekun Chinese Bites
オイシークン・チャイニーズ・バイツ

 

 

 揚げ肉まんを扱う店が3軒並ぶエリアがオンピン通りにはあり、前のジェーン・モダン・ストア方面から歩いて来てまず1軒目が、このオイシークン。日本語のおいしいに由来する店名なのだろうか? 隣に揚げ肉まんの超人気店がある中で奮闘している。中の豚肉はあっさりとしたやさしい味付け。最初に入口のカウンターで代金を支払い、番号と注文が書かれた小さな紙を受け取り、調理をしているスタッフに渡す。このシステムを知らず、筆者は列らしきものがあったので並んでいて、時間を無駄にした。気を付けよう。

 

 

 

The Original Shanghai Fried Siopao上海煎包 
オリジナル・シャンハイ・フライドシオパオ

 

 

 3軒並ぶ揚げ肉まん店の真ん中にあるのが、この超人気店。ビノンドの揚げ肉まんブームの火付け役と言っても過言ではない存在だ。ふわっ&もちっとした外皮をひと口食べる。豚肉とネギのジューシーな具、カリッとおこげも付いた下の皮。筆者のように、この揚げ肉まんのオリジナルにして完成形を求めて、ビノンドにやってくる人は少なくない。休日には長蛇の列を覚悟しなくてはならない。もし、並ばずに買いたいなら朝9時までに行くようにしたい。

 

Ling Nam Fried Siopao
リンナム・フライドシオパオ

 

 マニラ首都圏や近郊の州にも展開するリンナムがビノンドに進出し、人気店のシャンハイ・フライドシオパオの並びにオープンした。香港スタイルの揚げ肉まんを標榜し、中身はボラボラ(Bola-bola、ミートボール)とアサド(Asado、焼豚)の2種類がある。他店の揚げ肉まんは下の外皮のみに焦げ目を付けるが、リンナムは両面を揚げて焦げ目を付け、軽く押しつぶすようにして平たく仕上げるのが特徴だ。

 

Taiwan Fried Bao
台湾フライドバオ

 

 これまで紹介した店を過ぎ、オンピン通りをさらに進むとビノンド教会の手前に中華スーパーマーケットのショッパーズ・マート(Shoppers’ Mart)がある。その入口に屋台を構えるのが、台湾式揚げ肉まんだ。上海式、香港式の揚げ肉まんよりも小さく、全体を軽く揚げたような感じで皮にパリッとした食感。表面にしっかりと刻まれたしわは、台湾名物の小籠包のようで、小さいながら中には肉も野菜もたっぷり詰まっている。

 

 

 

 

次の激戦ストリートフード、オンピン通りにすでに出現!?

 

 揚げ肉まんに続く激戦になりそうなオンピン通りのストリートフードは「揚げ小籠包(Fried Xiao Long Bao)」!? そんな予感をさせる大行列ができていた。これら2軒に続いて、揚げ小籠包を提供する店が今後増殖するのか注目したい。

 

揚げ小籠包を買い求める人でにぎわうウォン・ケイ(Wong Kei/上)とエン・ビー・ティン本店(Eng Bee Tin/下、屋台は金~日曜のみ営業)

 

 

 

 

(初出まにら新聞2024年4月6日号)

Advertisement