フィリピン女子旅 シーサイド マーケット編

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2022年10月11日

 

 

 先頃、マレーシアと韓国からフィリピンに遊びに来てくれた友人と、パサイ市ディオスダド・マカパガル通りにあるダンパ・シーサイドマーケット(Dampa Seaside Market)を訪れた。友人の1人が、母親と昔フィリピンに来た際に訪れた場所で、その思い出の味を求めて行ったわけである。このシーサイドマーケットは、その場で購入した海鮮を同じ敷地内にあるレストランへ持ち込んでそのまま調理してもらうシステムで、好きな海鮮を好きな調理方法で食べることができる。

 

 

水槽内にいる生きた魚介類も購入可能。とても新鮮。

 

 

 

いざ、海鮮選び

 

 

 お腹を空かせて向かい、さっそくマーケットに突入。いったん売り場をすべて見て回った後、結局一番入り口側にあった店で海鮮を購入することにした。ずらっと並ぶさまざまな種類の海鮮たち。どれもおいしそうでつい選びすぎてしまったわけなのだが、ここで大事なのが値段交渉。後から聞いた話によれば、この手のマーケットは法外な値段で売りつけられることもあるらしい。だがここは交渉上手な友人のおかげで、最終的に相応な値段で買うことができた。ロブスター、ラプラプ、エビをそれぞれ購入し、ズバリ1,750ペソ。全体的にサイズが小さめだったのと、ロブスターに関しては店頭に並べてある生きたものではなく、つい先ほど冷凍保存されたばかりというものを選んだため、この値段に落ち着いたわけである。

 

 

 お店の人にだいぶ嫌な顔をされ、最後にはチップをせびられることとなった。気の毒な気もしたが、ここで折れたら値切った意味がない。こちらにとってもお金は大事なので、会計を済ませさっさとおさらばした。

 

 

おいしそうなぷりぷりのエビが、かごいっぱいに入って並んでいる。

 

 

 その後、購入した海鮮を食すべくレストランへ。しかし最初に入ろうとしたレストランは持ち込みの海鮮調理サービスはやっておらず門前払いされた。すべてのレストランが調理サービスに対応しているわけではないようだ。マーケットの向かい側に面してずらりと並ぶレストランを選ぶのが無難である。

 

 

 

緑一色のレストラン

 

 

 筆者たちが入ったのは、マーケット入口付近にある少々主張が激しめの「MeSEAna Seafood Restaurant」という緑一色のレストラン。外装も内装も緑で、店のスタッフもみんな緑のユニフォームを着ていた。その強烈な緑へのこだわりと、呼び込みをしていた元気なお姉さん(?)がとても印象的だったので、最終的にそこに入店することにした。

 

 

 

 

 入店後、先ほどマーケットで購入したエビは天ぷらに、ラプラプは甘酢あんかけ風に調理してもらい、ロブスターはガーリックバターソースの味付けで注文した。この時実はあまりこだわりなく適当に注文してしまったのだが、どれも絶品で、本当に文句の付けどころがない料理を楽しむことができた。エビの天ぷらは絶対、日本料理店で食べた方がいいと思っているそこのあなた、ぜひこのレストランでも食べてみてほしい。味付きの衣にソースをつけて食べるここの天ぷらは、日本料理店で食べられるものとは一味違ったおいしさが味わえるだろう。

 

 

 

 

 

「ジェニファー」出現

 

 

 ただ一つだけ困ったのは、なかなかの大きさの“G”がテーブルの上に出たことだ。しかしながらそこも、店員のお姉さんたち(??)の可愛らしいキャラクターで見事にカバー。こちらが席で騒いでいると、「どうしたの?…ヤダ、モンスターだわ!モンスターが出た!!」と大声で言いつつも、1ミリも焦っておらず、少し楽しげでさえあった。別の店員はなぜかそれを「ジェニファー」と命名し、最終的にはテーブルの上を徘徊していたジェニファーを素手で床に払い落した後、しっかりと足で踏みつぶして終了。「ゲットアウト、ジェニファー!」と言いながら、哀れに踏みつぶされてしまったジェニファーを店の外へ蹴り出していた。

 

 まだ営業中だというのにTikTokのダンスを店内で練習したり、ちょうどその日に生中継されていたミスコンテスト「ビニビニ・フィリピナス」を見て、候補者たちの真似をしながら盛り上がったりと、かなり陽気なお店だった。バーでも開いてくれれば絶対に通い詰めるのにと思わされるほど。帰り際には、「また明日来てよね」「次はいろんな人を連れてきてね、家族とか友達とか彼氏とか。私のための男の子もよろしく」と冗談をかまされ、「ジェニファー」が出たことなどもはやどうでもよくなるぐらい楽しい気分でレストランを出ることができた。今度は男友達を連れて行ってみようと思う。

 

 

 

 

 

 ちなみにこのレストランでの会計は、ほぼ値段交渉をせず、チップも込みで2,500ペソほど。正直、マーケットでの交渉と前日からの旅行疲れの影響で、このレストランでは値下げのための攻防戦を繰り広げる気力がなかったというのが本音なのだが、それでも味のクオリティーと店の楽しい雰囲気を考慮すれば3人でその値段はお手頃価格と言えるのではないだろうか。

 

 ダンパの客引きは激しいが、それも含めバイタリティーにあふれた店員がいる、実に活気のあるマーケットである。むしろそのいかにもフィリピンらしいローカルな雰囲気と、新鮮な絶品シーフードは、マニラにいるなら行かねば損! と言っても過言ではない。筆者と友人は、味、価格、雰囲気の全てにおいて期待を超えて大満足し、数カ月経った今でも「シーサイドマーケット良かったよね」と語り合うほどである。パサイ市にあるダンパシーサイドマーケットを訪れる人は、海鮮はもちろんのこと、ぜひ自身の値切り交渉の腕試しや、店員さんたちとのコミュニケーションも楽しみに行ってみてはいかがだろうか。(荒田 玲音)

 

 

Dampa Seaside Market
Diosdado Macapagal Blvd., Pasay City

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