フィリピンのデザートと言えば、ハロハロやレチェフランなどが思い浮かぶ。だが先日マカティで、マニラ在住6年目にして初めて見るデザートがあった。スクーターのベスパで知られるピアジオのオート三輪「アペシティ」の洒落た屋台で売られていたのは、アイススクランブル(Iskrambol、Ice scramble)というデザート。ピアジオの屋台だったのでイタリアンなデザートかと思ったが、フィリピンのローカルデザートであった。
高さ25センチの細長いプラスチック容器にかき氷、イチゴシロップ、チョコレートシロップ、練乳、マシュマロなどが入って横から見ると4〜5層になっている。1リットルサイズで100ペソ。小さいサイズもある。
イチゴの酸味とチョコレートの甘さがほどよくミックスされ、マシュマロの歯ごたえも楽しめる。ハロハロとの違いを聞かれるとよくわからないのだが、ハロハロのようにアイスクリームやプリンが載ったりと具のバリエーションがないのが、このアイススクランブルといえるのかも。
ハロハロがタガログ語で「ミックス、混ぜた」という意味同様に、このアイススクランブルもストローやスプーンで混ぜて食べることから、スクランブルと名付けられたらしい。ハロハロがフィリピン料理レストランのメニューにもあるのに対し、アイススクランブルは主に屋台で売られている。
ハロハロの陰に隠れてしまっているアイススクランブルだが、シンプルなデザートとして、タピオカの次に世界的なブームの主役になることはできないものだろうか。(W)