私が牛丼というものを初めて食べたのは、1980年代後期に東京に出てからだ。吉野家だったと思う。生まれ育った北陸のど田舎には当時牛丼のチェーン店はなかった(マクドナルドもなかった)。これまでいったいどれだけの牛丼を食べただろうか。牛何頭分になるだろう。そのころは、将来マニラで牛丼を食べることになろうとは思ってもみなかった。
寿司やラーメンはすっかりSushiやRamenとして英語でもおなじみとなり、国際的な和食となっている。そして、マニラで牛丼もGyudonと呼ばれて定着していることに今さらながら気づいた。すでに昔から日本の牛丼チェーンが海外進出しているが、確か昔はビ-フボウル(Beef Bowl)と英訳されていたような。
そこで、Gyudonとして親しまれている牛丼を求めて、私の生活圏であるマカティのリトル東京〜アヤラセンター界隈で食べ歩いてみた。すると、ひと口に牛丼と言っても多彩で独創的で個性的なことが判明。最初から卵や紅しょうがが載っていたり、スープ付きだったり、牛肉もご飯もすでに大盛状態な牛丼(丸亀製麺)、「なか卯」の牛卵とじ丼のような牛丼(麺蔵、ラーメン99)、煮汁が付いてきてつゆだくにできる牛丼(おでんハウス、三ツ矢堂製麺)、しいたけがたくさん入っている牛丼(はつはな亭、Ginza Gyu)といった具合に、実にさまざま。
約2週間、ほぼ毎日牛丼を食べたのだが、食べ飽きて牛丼をしばらく見たくない、とはならないのが不思議だ。 皆さんも今日のランチに牛丼はいかが?(T)