石を投げればラーメン店に当たるのではと思うほど、すっかりラーメンが日常生活に浸透しているマニラ。そんな中で、日本で親しんでいた家系ラーメンがまだないのは残念に思っていた。ところが、おなじみ「まにら新聞」の岡田記者によると、マニラにもあるという。さすが家系ラーメン発祥の地、横浜出身。先週土曜日のランチタイムに岡田記者の案内でさっそく行って来た。

 

 場所は首都圏サンフアン市。マカティからグラブで約30分以上かけてラーメンを食べに行く。店名はOYASUMI RAMEN(おやすみラーメン)。すでにご存知で常連の方もいらっしゃるかもしれない。店名に「家」と入っておらず、はたまたどうして「おやすみ」なのかは不明である。

 

 

 

 

 いざ着くと、幸い店はおやすみでなく、営業中。店内は黒を基調にしたシックでスタイリッシュなインテリアで、一見おしゃれなバーのようなたたずまい。1階はカウンター席、2階はテーブル席になっている。聞くと、開店してからすでに8年になるという。私のマニラ滞在期間より長い。シェフが日本で家系ラーメンに出会い、店で修行の後、マニラに開いたのだそうだ。

 

 

 

 店の看板メニュー、ずばりIekei Ramen(家系ラーメン)を注文。炙りチャーシュー、ほうれん草、のり、半熟味玉が載って、麺は腰のある中太ストレート。スープは濃厚で美味だが、普通の豚骨スープのようでもあり、自分が知っている家系とはちょっと違ったように感じた。私が最後に日本で食べたのが東京・水道橋の吉村家でかれこれ25年以上前。なので、私の舌の記憶も定かではないのだが。
 

 

家系ラーメン (350ペソ)。トッピングの追加もできる(別料金)

岡田記者が食べた辛みそ地獄ラーメン(450ペソ)。おやすみラーメンでは、家系ラーメンに並んで辛みそラーメンもベストセラー。辛さのレベルは5段階あり、辛みそ地獄はそのさらに上のレベル6。岡田記者は完食。「辛さよりも、迷って頼んだ麺の替え玉を食べるのがきつかった」

 

 

 なお、今回、家系ラーメンといっしょにギョウザを食べたのだが、これがすばらしかった。クリスピー・ギョウザと名付けられた揚げ餃子で、せんべいを思わせる半月型。その名の通りパリパリッと歯応えのいい皮と、ジューシーな餡(あん)が秀逸。餡にはショウガが入っていて、キリッと餃子の味を引き立てる。私にとって餃子と言えば断然蒸しか焼きで、揚げ餃子にあまりいいイメージはなかったが、イメージを覆す逸品に出会えた。すでに人気のクリスピー・クリーム・ドーナツに対抗して(?)、クリスピー・ジンジャー・ギョウザとして売り出したら私は常連になるだろう。

 

 

一見、せんべいのようなクリスピー・ギョウザ(150ペソ/5個)

 

 

 家系ラーメンとこの絶品餃子を求めて、サンフアンに行く価値ありである。家系ラーメンのほかにも油そばなどもあり、ラーメンの種類は豊富に揃っている。そして、なんとうれしいことに、おやすみラーメンはマカティ店オープンの計画が進行中なのだそう。マカティでこの餃子をつまみにビール、そして家系ラーメンで締める。そんな至福のひと時が待ち遠しい。(T)

 

 

Oyasumi Ramen(おやすみラーメン) 所在地:308 P. Guevarra St. San Juan, Metro Manila 営業時間:11am〜10pm(ラストオーダー9:30pm)