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地元民に愛されるマニラのビーチ

2020年11月4日

 

 

 マニラ湾に造成工事が進むホワイトサンド・ビーチは、完成したら国内はもとより海外からの観光客でもにぎわうことだろう。その一方で、マニラ湾にはおそらく地域住民にだけ愛されているビーチがある。それがマニラ市の港湾地区バセコ(Baseco)のビーチだ。そこは地元の人のみが知る隠れ家的なビーチで、マニラとは思えない手つかずの自然が今も残る・・・・・・といった風情のところではない。長年ごみの集積場だった場所である。昨年ごみが撤去されて砂浜が姿を見せ、ビーチのようになったのだ。
 昔のごみ集積所時代の様子を知る同僚によれば、ごみが幾層にも重なって、砂浜など全く見えなかったそうである。今のビーチもごみ一つないという姿ではないが、当時に比べたら、雲泥の差、月とスッポンなのだろう。

 

地元の人たちでにぎわうバセコのビーチ。

 

 バセコのビーチには海に入って元気に遊ぶ子どもがいて、砂浜でのんびりくつろぐ人がいる。れっきとしたビーチだが、長い間ごみの集積所だったことを思えば、海水に体を浸けても大丈夫なんだろうかと心配になる。特に臭いは感じなかったが、「水質を検査したら、恐らくすごいレベルの大腸菌とか検出されるでしょうね」と同僚がつぶやく。
 海岸すぐそばの水路には、なんと鮮やかなヒスイ色のカワセミ(だろうか? 色や形はまさにカワセミのような鳥)がいた。カワセミがいるのだから、水質の浄化は確実に進んでいると信じたいが・・・・・・。

 

バセコを歩くと、子どもたちが集まってくる。カメラにもすぐに笑顔で反応してくれる。

 

 マニラ市バセコ地区は、ドゥテルテ政権発足後の麻薬戦争で多くの超法規的殺人があった場所であり、住民が貧困のため臓器売買をしていたことでも知られる。民家が密集する地域の道は舗装されておらず、ところどころ水たまりがあり、ぬかるんでもいるので道の端を選んで歩くことになる。大雨が降ったら、いったいどれほど悲惨な状況になるのだろうか。ホワイトサンド・ビーチもいいけれど、バセコの住民のために道路の舗装もお願いしたい。(T)

バセコ地区の住宅地。1990年代初めにミンダナオ地方の紛争から逃れて移住してきたイスラム教徒が多く、モスクがある。