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フィリピンにおけるスパゲティの立場

2020年8月17日

フィリピン暮らしで気になるモノ・コト

 

 

 マニラのスーパーマーケットへ行くと、パスタ売り場の充実ぶりに驚かされる。実にさまざまなブランドのスパゲティが揃う。クリスマスが近づくと、スパゲティ売り場がさらに大きくなる。ジョリビーにも、マクドナルドにも、KFC にもスパゲティのメニューがある。フィリピンの人はご飯が大好きだけど、スパゲティも好きなんだなと思う。しかし、フィリピン人に言わせれば、スパゲティはご飯に代わる主食ではなく、あくまでメリエンダ、おやつ、間食なのだという。 

 

 今から3年前、フィリピンにおけるスパゲティの立場を知るべく、マカティでフィリピン人20人(男女各10人)にスパゲティは主食か、それともメリエンダかを聞いたことがある。すると20人中、実に19人がメリエンダと即答。また、夕食にご飯の代わりにスパゲティを食べて満足するかとの質問には、17人が「満足できない」と答えた。私はスパゲティはご飯やパン、麺類と並ぶ主食だと思って生きてきた。スパゲティはスナックだと聞いたら、イタリア人はどう思うだろう。

主食かおやつか。それが問題なフィリピンのスパゲティ

 

 フィリピン人にとってスパゲティは、パンシットと並んで誕生日パーティーなどお祝いの席で人気の食べ物でもある。スパゲティの細長い形状から、長寿を願う意味が込められているという。麺料理に長寿のイメージを重ね合わせるのは日本や中国と似ている。

 

 またフィリピンのスパゲティと言えば、こちらでホットドッグと呼ばれるウインナーの輪切りが入り、 フィリピノスタイルと呼ばれる甘いバナナケチャップベースが特徴だが、これはもともと子どもが食べやすいということで始まったものらしい。大人も甘口ソースが好きなのは、子どものころに食べ慣れたからなのか。「三つ子の魂百まで」は味覚にも当てはまるのかもしれない。アルデンテではなく、ふにゃっとやわらかい食感はその昔、給食で出てきたソフトめんを思い出す。

 

 スパゲティがどのようにフィリピンにもたらされ、メリエンダとしての地位を確立したのか。その歴史を調べれば、食文化論が書けそうである。

 

 

 

 (初出まにら新聞2017年11月16日号を再編集)