マニラ現地紙ナナメ読み 39

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2022年3月3日

ボンボン―サラ後援会の偽会員証出回る

 

 [3月2日・ピープルズジャーナル2面] 世論調査で人気トップを独走する、マルコス元大統領の長男ボンボン・マルコスとドゥテルテ大統領の長女サラ・ドゥテルテの正副大統領候補ペア。この世襲ペアの後援会の偽会員証が1枚20ペソで販売されているという。

 なぜ偽会員証なんかに需要があるのかと思えば、どうやら2人の支持者には5000ペソが配られるという噂が広がっていたかららしい。

 

 

 サラ氏は「5000ペソをばらまくなどという事実はない。これは詐欺だ」と噂を全力で否定。「偽会員証の売人に出会ったら直ちに報告してほしい」と呼びかけた。なんとも、選挙期間中のお金のばらまきが当たり前に行われてきたと言われるフィリピンらしいニュースだ。

 

 

 ちなみに、メディアも陣営の本部に申し込めばメディア関係者向けのIDを発行してもらえる。それを首に下げると、ほぼ陣営の広報担当に見えてしまうが。

 

ボンボン大統領候補(右)とサラ副大統領候補(左)=サラ氏の公式フェイスブックより

 

 

ドゥテルテ先生誕生?

 

 [3月2日・テンポ1面] 今年6月で任期を終えるドゥテルテ大統領は1日の演説で、かつて市長を務めたダバオ市で教鞭をとることを次のキャリアとして検討していると発表した。

 

 

 大統領は「今、何が危険にさらされているかを若い世代に伝えたい」と熱い思いを披歴。ああ見えて検察官出身の大統領だが、教える科目は法学ではなく、より広域な「社会研究」(ソーシャルスタディー)だという。

 

 

 破天荒な大統領が教室で何を教えるのかは大変興味をそそられるが、ドゥテルテ氏は退任後の去就について言を二転三転させてきた人物だから油断できない。絶対に出ないといった副大統領選への立候補を表明したと思ったら、やっぱり副大統領選でなく上院議員選に立候補すると言い出し、その後上院選立候補も撤回している。今回はどこまで本気なのだろうか。

 

 

盗撮ドローン対策に国会が動く

 

 [2月28日・デイリートリビューン電子版] 下院のフロリダ・ローブズ議員らは下院公共交通委員会で、プライバシーの侵害や危険な操作が相次いでいるとして、ドローン使用実態の調査を求める決議案を提出した。

 

 

 同議員は「今年1月21日にドローンが実家に飛んできて、もう少しでキッチンに入ってくるところだった」と自身の家族の被害経験を共有。「比民間航機構(CAAP)の2014年通達はドローンの商業利用に関する許認可などの規制を設けているものの、個人利用に関する規定が欠如しているのが現状だ」と指摘した。

 

 

 この決議はあくまで実態調査の要請であり、法規制が整備されるのはだいぶ先になりそうだ。

 

 

 筆者のように風呂上がりに半裸でコンドミニアムの窓から夜景を眺める習慣のある方々、空に飛行物体がないか注意されたい。

 

(イメージ写真)

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