マニラ現地紙ナナメ読み2

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2020年8月21日

コロナ禍の中、妊娠は計画的に

 

 「計画性のない妊娠は避けましょう」。フィリピンの政府機関、国家人口委員会(The Population Commission/PopCom)は、コロナ禍によるロックダウンが続く中で、国民にこのような警告を出していました。フィリピン人が多産であることに加え、外出禁止が続く中、ステイホームのカップルがいっそう励むことになって、望まない妊娠が増えることを危惧したようです。公共交通機関が停止していて、いざというとき妊婦が病院へ行くことが困難な状況であることも考慮しなくてはなりません。

(イメージ写真)

 フィリピン大学人口研究所は、計画性のない妊娠は2020年、180万件に達すると予測していましたが、コミュニティ防疫が年末まで続く場合、この「できちゃった」件数はさらに75万1,000件増加するとの見通しを示しています。フィリピンにコロナベビーブームがやってくる確率はかなり高いといえそうです。

 

 また人口委員会によると、今年1月から3月までミンダナオ地方サンボアンガ市では493人の10代の少女が妊娠し、ロックダウン真っ只中の4月から6月には628人に増えたとのこと。同委員会の職員は、「ロックダウン中は親も仕事に行けず、子どもといっしょに家にいたはず。なのに、10代の少女の妊娠が増えるとはどういうことなのか。理解に苦しむ」と困惑。確かに(8月17日・デイリートリビューン)。

 

 

つばを吐いたら罰金

 

 マニラ首都圏カロオカン市がコロナウイルスの蔓延を防ぐために、つば吐き禁止の条例を制定しました(8月16日・インクワイアラー、スター)。

 

 公道、路地、歩道、公園、ショッピングモール、市場、駅、バス停、教会、学校、病院、運河、川など公共の場所でつばを吐いたら初回は1,000ペソの罰金、2回目3,000ペソ、3回目は5,000ペソの罰金、または10日から60日以内の禁固刑とかなり厳格。1回目の違反でも公衆衛生の講習への参加が義務付けられるという本気モードです。 

 

 つばを吐いたら罰金という法律がある国として、シンガポールが知られています。記者が以前住んでいた時、つばを吐いて罰金を科された人に会ったことはありませんでしたが、実際に道にゴミ捨てて罰金を科されたという報道を見たことがあり、道路を斜め横断して罰金を科された日本人の同僚がいました。今回のつば吐き罰金条例を機に、カロオカン市はマニラの中のシンガポールをめざすと、宣言が出たりして・・・・・・。

 

 

ハングリーゴーストにご用心

 

 中華文化圏では旧暦7月がハングリーゴースト・マンス、鬼月、中元節などと呼ばれ、あの世の門が開かれて死者の霊、いい霊も悪い霊も地上を闊歩するといわれています。今年は8月19日から9月16日がハングリーゴースト・マンスとなり、地獄の門が開くのは9月2日(8月19日・デイリートリビューン)。

 

 東南アジアでもシンガポールやマレーシアなどでは、悪い霊が不幸をもたらさないように、職場などで食べ物や飲み物などを供えた祭壇を設けてお祈りをします。また、歌台(Getai)という中国語の歌謡ショーが多く行われるのもこの時期。最前列の席は霊をもてなすために空席としておくのが習わしです。フィリピンでは11月に万霊節がありますが、ハングリーゴースト・マンスは中華街ビノンドなどではあるのかも。

 

シンガポールでのハングリーゴーストフェスティバル。(写真:Singapore Tourism Boardウェブサイトより)

 

 ハングリーゴースト・マンスには、以下のことを避けるべきとされています。

・夜間遅い外出

・遠方への旅行

・引っ越し

・新居購入

・結婚

・大手術

・建築工事の開始

・事業の開始

・商談の決済、特に新規投資の決定

など。

 

 悪い霊に危害を加えられないために、家の入口にキャンデーやコップに水、またはボトル1本の水、古着を霊に捧げるために供え、ロウソクまたはお香をつけて家族の無事を祈りましょう。すべてのハングリーゴーストが悪いわけではなく、中には幸運をもたらしてくれる霊もいます。気をつけるのは地獄の門が開く9月2日。コロナ禍に見舞われている今年は、例年以上に気を付けたほうがよさそうです。

 

 とは言うものの、周りのフィリピン人にハングリーゴースト・マンスについて聞いてみると、知らないという声が圧倒的。フィリピンにいる日本人の私たちは、ハングリーゴースト・マンスをどう過ごせはいいのでしょうか・・・・・・。

 

 

太っ腹! マニラ市がPC無料支給

 

 マニラ市は学生、教員ら10万人以上にラップトップPCやタブレットを今月中に無料で支給することを発表しました。各学校でオンラインクラスが始まることを受け、マニラ市は9億9,400万ペソを計上し、保護者の負担軽減を目的として支給します。配布されるのは学生向けにおよそ13万6,950台のタブレット、教員向けに1万1,000台のラップトップPC。さらに1カ月10ギガバイトのデータ通信可能なSIMカードが付き、教員にはポケットWiFiも配られます(8月19日・マニラタイムズ)。

 

 長年使ったラップトップが壊れ、今度買うならラップトップPCにしようか、クロームブックにしようか、マックブックエアーか、サーフェスも気になっているところにこの話題。うらやましすぎる。

 

 

 

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