マニラ現地紙ナナメ読み 8

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2020年9月12日

看護師ロボット活躍中

 

 首都圏タギッグ市に新しく開設された防疫施設で、看護師ロボット「ロボナース」が活躍しています。コロナウイルスに感染した患者に必要なものを遠隔操作で運搬するなど、患者と医療関係者の接触を減らす効果が期待されています。このロボナースはタギッグ市の学生が開発しました。
 ロボナースは画期的な取り組みだと思うのですが、よく見ると、ホンダのアシモにそっくりなような・・・・・・。

 そのうちフィリピンの警察にロボコップも導入されるかも?(9月10日・フィリピンスター)

 

ロボナースは会話もできるのでしょうか? 写真:フィリピン国営通信(PIA)ウェブサイトより。

 

スマホは子どもの手の届かないところへ

 

 ミンダナオ地方ジェネラルサントス市のレスペシアさん夫妻の家に9月上旬、地元のレストランから配達が届きました。照り焼きチキン3人前、ビーフンギサド2人前、唐揚げチキン8本、ココナツジュース2本、カプチーノシェイク1つ。合計1,574ペソ。レスペシアさんは驚きました。なぜなら、注文していないからです。誰かのいたずらか、いやがらせか? そして判明したのは、注文は確かにレスペシアさん宅からであること、そして息子が注文したこと。息子は5歳。父親のスマホを借りて注文したことがわかりました。

 

 スマホを使って注文できることはもちろん、闇雲に注文したのではなく、家族の人数を考えて注文していることにも驚かされます。物心ついた時からスマホに触れる機会がある最近のデジタルネイティブ、恐るべし。(9月11日・デイリートリビューン)

 

望まない妊娠をしている人へ、サヨテの話

 

 9月10日、パラニャーケ市で女の子の赤ちゃんが捨てられているのが見つかりました。まだ胎盤とへその緒が付いたままで、ジャケットに包まれていました。監視カメラに不審な人物は写っていません。赤ちゃんは病院へ運ばれ、健康診断を受けた後、今は発見された地域の役人の家に引き取られています。

 

 このような新生児遺棄は後を絶たず、時には赤ちゃんの命が危険な場合もあります。2016年8月、バレンズエラ市ジェイドガーデンタウンホームズ近くでプラスチックの袋に入れられてごみ箱の中で見つかった赤ちゃんは、意識不明の状態で病院に運ばれ、1週間後に亡くなりました。

 

 望まれずに生まれてきた赤ちゃんを救うべく、昨年、下院で出産後に赤ちゃんを病院、警察、消防署、教会に置き去りにしても母親は罪に問われないようにするという法案が出されています。

 

 この記事を書いた『デイリートリビューン』紙の記者は、望まない妊娠をし、出産後に赤ちゃんを捨てようと考えているなら、バギオ市のジープニー運転手レンレンさんの行いを見習ったらどうかと問いかけます。

 

 レンレンさんは自分の畑で取れたサヨテ(ハヤトウリ)の余った分を袋に入れ、「ご自由にお持ち帰りください」と書いてジープニーに積んでいます。「余分なサヨテを畑で腐らせるよりも、野菜を欲しい人のためにあげるほうがいい」と、レンレンさん。

 

 もちろん、赤ちゃんとサヨテは同じではなく、野菜のように簡単に人手に渡すことがあってはならない。言いたいことは、望まれずに生まれてきた赤ちゃんであっても、赤ちゃんを持つことを望む別の人がいるということ。そのような人とっては赤ちゃんはかけがえのない存在であり、きっと我が子のように育ててくれること。記者は、望まない妊娠をして出産後に赤ちゃんを捨てようと考えるなら、きっとその赤ちゃんを引きとって育てたいと思う人たちがいることを知ってほしいと訴えます。(9月12日・デイリートリビューン)

 

 

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