マニラ現地紙ナナメ読み 12

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2020年9月30日

割れたビールの空き瓶3本で1万ペソGet!  

 

 ビールの空き瓶の値打ちは、通常1ペソから5ペソくらい。しかし、最近ボホールの農民はビールの割れた空き瓶3本で1万1,000ペソを手に入れました。なぜ割れたビールの空き瓶がそんな値打ちがあるのか? なぜなら、その瓶は今はなきフィリピンのビール、「ハリリビール(Halili Beer)」のボトルだったからです。

 

 ハリリビールは、ブラカン州知事を務めたフォーチュナト・ハリリ氏のビール会社の製品で、1960年代に人気のビールでした。しかし、孫のフォーチュナト・ハリリ3世によると、残っているボトルを見つけるのは至難の業とのこと。アンティークのコレクターの間では、ガラス瓶が貴重だった当時、競合するビール会社の人間がハリリビールの瓶を割り、ハリリビールは再利用できるガラス瓶がなくなってビールを売ることができなくなった、という都市伝説があるそうです。

 

サンミゲル・ピルセンのボトルに似てますね。

 

 現在、ハリリビールの瓶はラベルがはっきりわかるものなら割れていても1本2,500ぺソの価値があります。割れていない空き瓶なら1本1万5,000〜2万ペソ、新品状態のものなら1本3万〜3万6,000ペソで売れることも。

 

 さて、冒頭の農民はどのようにハリリビールの空き瓶を入手したのでしょうか。農民が空き瓶を見つけたのは洞穴の中。その昔、暗い洞穴で農民たちはコウモリの糞を肥料用に集めていた時、ハリリビールの空き瓶をガスランプとして使っていたのです。今回空き瓶を見つけた農民は、次の幸運を狙って空き瓶を探し続けているそうです。

 

 サンミゲルのボトルを保管しておいても、フィリピンのビール市場90%以上のシェアで流通しているので 将来ビンテージとしての価値が出ることは難しいでしょう。では、数年前まで存在していたマニラビールは? この記事を書きながら私は、3年前にマンダルーヨン市のフィリピン料理店で飲んだ時に瓶を持ち帰るべきだった、いや、数本買って飲まずに保管してしておくべきだったと思っています。(9月25日・デイリートリビューン)

 

 

不適当なスラングが教材に載って騒動に

 

 ルソン地方サンバレス州に住むレイソンさんは、16歳の妹の教材に載っていた問題に出てくる4人の登場人物の名前を見て驚き、フェイスブックに「教材にこのような言葉が使われていいのだろうか?」と投稿しました。教材にはふさわしくないタガログ語のスラングが含まれていたのです。

 

 この投稿に対し、教育省がすぐに「その教材は教育省が発行したものではない」と公式声明を発表し、レイソンさんの妹が通うカトリック系の学校に対し、教材にふさわしくない言葉を使用した疑いで調査を行うと言明しました。

 

 教材に載っていた名前は「 Pining Garcia」「Abdul Salsalani」「Malou Wang」「Tina Moran」。 

 

 この記事を書きながら辞書を調べてもわからなかったので、フィリピン人同僚(女性)に聞いたところ、笑いながら身ぶり手ぶりを交えて教えてくれました。タガログ語の勉強をしている身にとってはいい勉強になりました。残念ながら、意味をここで書くことはできません。ぜひ各自でフィリピン人の方に教えてもらってください。聞く相手を間違うと怒られるかもしれないので注意。(9月28日・フィリピンスター、9月25日・インクワイアラー電子版)

 

 

フィリピン産チョコレートとピリナッツ、「グレート・テイスト」受賞

 

 英国の飲食業界誌ギルド・オブ・ファインフードによる「グレート・テイスト・アワード」で、フィリピンのチョコレートメーカー3社が受賞しました。同賞は飲食業界において世界有数の規模を誇り、今回は世界106カ国1万2,777の製品が審査されました。評価は星の数で表され、最高は星3つ。星を獲得したフィリピンのチョコレートメーカーと製品は次の通りです。

 

2ツ星獲得★★

-セオ&フィロ・チョコレートファクトリー(Theo and Philo Chocolate Factory /マニラ首都圏):60%ダークチョコレート・ジンジャー&ミント

-アウロ・チョコ―レ―ト(Auro Chocolate/ラグナ州カランバ市):85% マナ-シングルエステート

 

1ツ星獲得★

-セオ&フィロ:90%ダークチョコレート、70%ダークチョコレート、ダークホットチョコレート

-アウロ・チョコ―レ―ト:42% ミルクチョコレート、55%ダークチョコレート、55%ダークチョコレートw/アラビカコーヒー、77% ダークチョコレート、85% レガロ・シングルバリエタル、ピーナッツホットチョコレート

-ロザリオデリカシー(ダバオ市):ロザリオ・タブレア 

 

セオ&フィロのユニークなチョコレート。左からミルクチョコレート・アドボ、65%ダークチョコレート・グリーンマンゴ&ソルト、65%ダークチョコレート・ラブヨチリ

 

 

 チョコレートのほかにも受賞したフィリピンブランドがあり、スービック・スーパーフード(Subic Superfood)のマウントマヨン・プレミアム・ピリナッツ・ヒマヤランピンクソルトとマウントマヨン・プレミアム・ピリナッツ・ナチュラルナッツバターの2つの製品が、それぞれ見事3ツ星を獲得しました。同社のその他のピリナッツ製品も2ツ星、1ツ星を獲得しています。

 

 一時帰国の時などに、世界的に評価が高いフィリピンの食品をお土産に買うのもいいアイデア。フィリピンの受賞製品リストはグレート・テイスト・アワードのウェブサイトからご覧になれます。(9月26日・マニラブレティン)

 

 

 

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