「ラビットのL?」 「 形容詞で男女対比」・・・・自習用教材が炎上中

 

 先ごろ教育省が発行した児童生徒向けの自宅学習用教材に間違いなどを見つけた保護者たちがネットに苦情を投稿し、教育省が対応に追われています。保護者から寄せられた苦情は次のような内容です。

 

●与えられたスペースの中に何百もの星を書けという「不可解な課題」がある。

   

●8年生の英語の教材に形容詞が男性的、女性的と対比され、それらを認識することは重要だと書かれていた。今の時代にいかがなものか。

〈Feminine〉   〈Masculine〉      

Passive     Aggressive

Nurturing      Analytical 

Gentle      Strong     

 Submissive   Dominant

 Yielding      In Control

Tender                     Tough

Dependant              Independent

Collaborative          Competitive

Emotional                Logical

Supportive              Self-reliant

Fragile                      Brave

 

●アルファベットの「 O」を学習するページにOstrichとあり、そのイラストはダチョウではなく、なぜかフクロウ(Owl)が書かれている。「新常態」になって、ダチョウは姿を変えたのか?

ダチョウは先頃、ケソン市で脱走騒ぎがあって一躍注目されました。

教材の制作者はフクロウが「知恵のシンボル」とされるので、教材にふさわしいと思い、使ってしまったのでしょうか。

 

●アルファベットの「R」を学習するページでRabbitという単語を書く練習があるが、うさぎのイラストといっしょに“L for Rabbit ” と書かれている。

 

” Labbit “???

 語学留学が産業の一つのフィリピンとしては、心配な間違いもあります。 教育省は、間違いを見つけたらフェイスブックに投稿せずに教育省に連絡するように呼び掛け、窓口を設けました。もし教育省が開き直って「間違い探しも学習のうち。故意に間違いを入れておいた」とこたえていたら、どのような反応があったでしょうか。(10月8日・マニラタイムズ電子版ほか)

 

 

路上生活者を救うマニラ市長 

 

 内務自治副大臣による「物乞いは違法行為。物乞いをする者は逮捕すべき」という発言に対し、首都圏マニラ市のイスコ・モレノ市長は「路上生活者を刑務所に送るより、政府は彼らに住居を与え、社会に貢献できる人材となるための支援をしてほしい」と訴えました。自身も貧困層出身である市長は、今年2月からマニラ市当局は社会福祉省との協力で数百人の路上生活者に住居のあっせんを続けてきたことを明らかにしました。

 

 「コロナ禍で仕事を失い、路上生活を余儀なくされた人たちいる。3カ所の居住施設はそれほど快適とはいえないかもしれないが、路上よりはずっといい。無料で食事、日用品を提供し、医療チームによる検査も行った。さらに定期的に無料で映画鑑賞やズンバレッスンもできるようにした」。さらに、地方の帰郷を希望する場合は援助し、実際10月上旬には路上生活をしていた200世帯が故郷の州に戻ることができたといいます。

 

身近な路上生活者

 

 記者が住むマカティのコンドミニアムの周辺にも路上生活者がいます。以前赤ちゃんを抱えた裸足の若い女性がいるのを見て、あまりに哀れに思い飲食物やサンダル、バスタオル、毛布などを買って渡しました。次に会った時も同じ格好で、サンダルも履いていません。私が渡した物は周りに見当たりません。物乞いをビジネスにしている者がいるという話を聞いたことがありますが、この女性もやはり同情を誘い物を乞うビジネスをやっていたのでしょうか。

 

 また、30代と思われるがっしりとした体格の男性の路上生活者がいました。紙コップを手に行き交う人にお金を乞うこの男性は、腕に入れ墨を入れています。ある時にはタバコを吸っていました。入れ墨やタバコを買うお金があったら生活に必要なものを買えばいいのに。また、着替えをしているようで服が変わっています。帰る家があるのではないか、ひょっとして物乞いのふりをして社会学的な調査をしているのではないかとも疑いました。

 

 物乞いをしてくる路上生活者には、いったいどのように接すればいのでしょうか。違法行為なのだから、無視し続ければよいのでしょうか。(10月15日・デイリートリビューン)

 

 

ドゥテルテ大統領の市長時代の武勇伝

 

 フィリピンで外国人が就労ビザや滞在ビザの延長などを申請する時、担当の係官は申請書類といっしょに提出された「手続きの潤滑油的なお金」を受け取ると、白い紙にくるんで筒のようにしてすばやく隠します。その筒のようになった形が似ていることから、このお金はミルクでできたフィリピンの飴菓子パスティリアス(Pastillas)と呼ばれます(国が変われば、このような申請手続きを円滑に進めるためのお金の呼称も変わるようで、某東南アジアの国では「コーヒー代」と呼ばれていました)。

本物の「パスティリアス」。この菓子も賄賂も受け取る側とって、甘くおいしいと負う共通点があるのでしょう。

 ある上院議員がこのパスティリアス、賄賂の存在をを非難し、「ドゥテルテ大統領が見つけたら、その係官に受け取った『パスティリアス』を食べさせるだろう」と警告しました。これは、大げさに言っているのではありません。ドゥテルテ大統領はダバオ市長時代、偽造の不動産証明書を売っていた男にその書類を食べさせたことがあります。また、現金を強奪した男にそのお金を食べさせたこともあるのです。

 

 もし、ドゥテルテ大統領がフィリピン健康保険公社(フィルヘルス)の職員たちに、汚職で得た現金を食べさせたとしたら・・・・・・。彼らが食べた現金をしばらくして取り戻す時には、念入りな「資金洗浄」が必要になることは間違いありません。(10月18日・デイリートリビューン)