マニラ現地紙ナナメ読み 18

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2020年11月28日

山岳地帯のビッグな子ども

 

 フィリピンの人里離れた山岳地域では土地が農業に適さず、住民が食糧に事欠いてなんとか自生する根菜などを食べて暮らすも栄養が欠乏する恐れがあります。

 

 

 先頃、北ミンダナオ州のフィリピン国軍の医療班が5時間歩いてようやくたどりつける山岳地帯へ医療支援に行ったところ、アバカ(マニラ麻)農家の2人の子ども、ディワナ6歳とダニエル3歳に出会いました。隊員が驚いたのは、このかわいらしい2人が肥満児だったこと。顔ははちきれんばかりにふくれ、腕と足にはたっぷり肉がついて皮が幾重にも折り重なっていました。ディワナは体重28キロ、ダニエルはすでに7歳児並の24キロ。子ども用の服は小さすぎ、足が大きすぎて子ども用サンダルは合いません。なお、ふたりの親戚はまだ1歳ですが体重はすでに14キロ、3歳児並でお母さんは抱き上げて運ぶのが大変だと嘆いています。

 

 

 これらの子どもの親によると、生後3カ月からカモテ(サツマイモ)とキャッサバを昼と夜に食べさせていたとのこと。一見、健康ですくすく育っているように見える子どもですが、タンパク質不足、栄養失調と診断されました。

 

 

 ちゃんと栄養を取ってこれからも体が大きくなれば、いつか相撲部屋関係者の目に留まり、フィリピンの山岳地帯出身の力士が登場するかも?(11月25日・デイリートリビューン)

 

 

67歳、ネット恋愛の行方

 

 

 パンガシナン州に住む67歳のベアさんは、フェイスブックを楽しんでいました。そしてある日、ある男性と知り合います。アフガニスタンにいる米国の軍人で66歳。名前はアレックス・シャンドラー。

 

 

「チャットをする友達はたくさんいるけど、アレックスは本当にいい人」とべアさん。チャットをするうちにふたりは実際に会うことに。そして今月中旬、アレックスはベアさんに、アフガニスタンを離れるために500米ドル必要なので送ってほしいと頼んできました。ベアさんはお金を借りて用意し、送金しました。またその後、アレックスからベアさんに「フィリピンに到着した。でも、入国係官に7万ペソを渡さないと入国できない」と連絡がありました。ベアさんがお金を渡すのを断ると、それ以来アレックスからの連絡は来なくなりました。

 

 

 

 マニラ国際航空の警察官によると、「ベアさんは恋愛詐欺の犠牲者。1週間以上空港でアレックスを待ち続けていた」そうです。(11月27日・デイリートリビューン)

 

 

 

フィリピンと日本のビジネス「70年代の実話」:イノシシ狩り観光

 

 

 1970年代、ミンドロ州ルバングのバランガイ・ビナカスを訪ねた時、森のそばの小さな村の何もないところにポツンと1軒の建物があった。空き家である。村人にあの建物は何なのか尋ねてみると、こんな話をしてくれたーー。

 

 

 ある時、この村に太平洋戦争に従軍したという日本人数人がやってきた。森でイノシシ狩りをしたいという。地元の村人をガイドに雇い、1日で4頭のイノシシを狩ってきた。村人にイノシシをさばいて調理してくれるように頼み、日本人数人ではイノシシ1頭でも食べきれないので、バランガイに住む村人全員にもふるまわれた。村人にとっては1週間分のごちそうになったという。 

 

西ネグロス州バコロド市にあるネグロス森林公園のイノシシ。フィリピンでは野生のイノシシは絶滅危惧種に指定されている(2018年12月/岡田薫撮影)

 

 その後も退役軍人の日本人たちは定期的にやってきた。そして次から次と日本人のハンターがやってくるようになり、退役軍人たちは森に近いバランガイ・ビナカスに5ツ星ホテルを建てた。そのホテルには刺身、寿司、酒、イノシシ料理を出す高級日本料理店も開店した。何もないところに突如花開いたイノシシ狩り観光。村人はハンターのガイドをすることで、米をつくるよりも多くかせぐことができるようになった。

 

 

 しかし、ほどなくして問題が起きる。イノシシがいなくなったのだ。乱獲による絶滅。困った村人はあるアイデアを思いつく。それは、大きなブタを買ってきて白い体を黒く塗り、森に放つという案。ハンターが来ると、森に隠れている村人がブタを放す。ハンターが仕留めるやいなや、ブタだと見破られないようにすぐに村人が調理場に運び、解体する。すべてはうまく行っているように思われたが、やがて日本人のカトリック修道女に知られ、日本でも報道されて5ツ星ホテルは廃業。イノシシ狩り観光ブームは終わった。

 

 教訓:何人かを欺くことはできても、すべての人を欺くことはできない。ある程度の時間は欺くことができるかもしれないが、永久に欺くことはできない。(11月25日・デイリートリビューン ) 

 

 

大統領が発表「自転車の日」

 

 

 ドゥテルテ大統領は毎年11月第4日曜日を「自転車の日(National Bicycle  Day)」に制定することを発表しました。自動車ではなく自転車の利用を推進することで、環境への配慮と、国民の健康増進が目的です。
 コロナ禍により公共交通機関が停止したことで、最近マニラでは以前とは比較にならないほど多く自転車に乗る人を見るようになりました。このような状況も「自転車の日」制定のきっかけとなったのかもしれません。

 

 大統領はオートバイ好きで知られ、ダバオ市長時代にハーレーダビッドソンに乗っています。来年の「自転車の日」には自転車に乗る大統領を見ることができるでしょうか。それともいつか新たに「オートバイの日」を決めて、颯爽とハーレーを駆る姿を披露してくれるのかも。(11月20日・フィリピンスター)