マニラ現地紙ナナメ読み 24

この記事をシェア

2021年1月19日

通夜に行われるゲーム

 

[1月9日・デイリートリビューン]家族が亡くなった時、フィリピンには葬式を行う余裕がない家庭がある。棺桶の購入、遺体の防腐処理、霊柩車の手配、通夜の場所代、司祭への支払いなどいろいろお金が必要となるが、まかないきれない場合は、親戚や友人からの募金に頼る。とても貧しい家庭の場合、地域の政府や役人が埋葬費を肩代わりしたり、政治家が私費で支援し、悲しみに暮れる家族を慰めることも。

 

 寒村で行われる通夜の席では、サクラ(SAKLA)と呼ばれるゲームが行われる。スパニッシュタロットカードを使った絵合わせゲームで、お金が賭けられる。そして勝った分のお金が遺族へ葬儀費用として渡される。

 

 遺族もこのサクラに参加して勝てばいいが、負けた場合はどうなるのだろう? ちゃんと負けて遺族を勝たせるサクラを紛れ込ませるとか?

 

 

「路上の王」交代?

 

[1月13日・デイリートリビューン]マニラ首都圏のキング・オブ・ザ・ロードといえば、長らくシプニーだったが、最近は変わってきたようだ。ジープに取って代わろうとしているのは、オートバイ。コロナ禍でシープニーが運行停止となった間、オートバイが数を増やしたようである。

 

 誰が呼んだか、何をもってキング・オブ・ザ・ロードというのかわからないが、確かにジープはその台数の多さ、利便性、フィリピンのアイコン的な存在であること、そして猛々しいというか粗暴というか、道路を我がもの顔で走るようなイメージから、路上の王?

 

 コロナ禍でジプニー通勤から数カ月前に自転車通勤に変えた切り替えたフィリピン人の同僚は今、オートバイ免許取得をめざしている。スクーターにするか、ギアボックスタイプにするか、免許も別なのでかなり迷っているようだ。

 

 彼のように、以前より明らかに増えた自転車に乗る人が、今はオートバイへと乗り換え、ジプニーの存在を脅かすまでに増えているのだろうか。この先、オートバイが増えて、車も凌駕し、ベトナムのようなオートバイの洪水がマニラの道路に出現するとしたら・・・・・・。

 

ベトナム名物バイクの洪水 (イメージ写真)

 

 

選挙で同じ得票数だったら?

 

[1月19日・デイリートリビューン]来年5月の次期大統領選の話題が、メディアをにぎわせるようになってきた。ドゥテルテ大統領の娘で現ダバオ市のサラ・ドゥテルテ市長、マニラ市のイスコ・モレノ市長、マニー・パッキヤオ上院議員などの出馬が取り沙汰されている。

 

 もし、有力な候補出馬、選挙で拮抗し、しかも得票数が同じだったらどうなるのだろうか、とふと考えてみた。ありえないことかと思っていたら、2019年5月、パラワン州アラセリでの首長選で実際に起きていた。2人の候補者、ノエル・ベロニオ氏とスー・クディラ氏の得票数はともに3,495票。規定により得票数が同数の場合はコイントスで決めるとなっており、3回勝負の結果、クディラ氏が勝った。コイントスで決着というのは、やはりリーダーには運と勝負強さが求められるということだろうか。

 

 来年のフィリピン大統領選でもし、コイントスで決着という事態が起きたら、きっと世界で大きな話題となり、フィリピン大統領の知名度も一気に上がるに違いない。

 

 

Advertisement