パシッグ川フェリー紀行

この記事をシェア

2020年10月26日

 運航が再開したと思ったら、川面がホテイアオイで覆われて停止。しかしその数日後にまた再開。なんだか大変そうなパシッグ川フェリーに先週末の10月24日、約8カ月ぶりに乗ってきた。 朝9時30分発グアダルーペ・フェリーターミナルから、マニラ市の中華街ビノンド地区のエスコルタ(Escolta)・フェリーターミナル行き。乗船前に身分証明書の提示に検温、連絡先記入など、今年2月に乗った時にはなかった手続きがあり、やはりニューノーマルである。ラッキーなことに料金は無料だった。

 

この日は土曜日だったせいか通勤利用客もなく、乗客は少なく密な空間にはならなかった。

 

 大繁殖していたホテイアオイは、フェリーの航路からは取り除かれているものの、今もたくさん水面を漂っている。近くで見ると茎が太く、葉も 大きく、青々としてなんとも立派な姿。食用や何か利用法はあるのだろうか。 

 

 ゆるやかに流れる濁った川をボートで進んでいく様子は、映画『地獄の黙示録』を思い出す。映画ではホテイアオイは出てこないし(映画でもホテイアオイが出ていました!)、ジャングルではなくマニラの都会の中を流れる川ではあるが、この映画が撮影されたのがフィリピンであることを思えば、もう気分はウィラード大尉である。

ホテイアオイが漂う川面をフェリーが進む。スクリューにからむと一大事である。

 

 川には多くの鳥が住んでいて、バードウォッチングを楽しむこともできる。2月に来た時よりも数も種類も多い。水面すれすれを飛んで小魚を狙うカモメような鳥、ツバメのような鳥の群れ、ホテイアオイに乗って漂うサギのような鳥。これら白い鳥の姿がホテイアオイの緑に映える。川岸で釣り糸を垂れる人、裸で泳ぐ子どももいる。マニラという都会を流れるパシッグ川は、人々にとっての交通路であり娯楽の場でもある。

 

いろいろな鳥を見ることができるので、フェリーは鳥が好きな人にもおすすめ。(写真撮影:岡田薫)

 

 グアダルーペから出発してマラカニアン宮殿を過ぎ、エスコルタまでは約40分。終点エスコルタでフェリー・ターミナルを降りた後、人出が多く活気ある中華街ビノンドで小籠包に舌鼓を打った。オンピン通りで上海揚げ肉まんを買ったのは今年の旧正月以来で、店がやっているかどうか心配だったが安心した。フェリーに乗るのが一番の目的であり、アトラクションだが、その行先に中華街があるのはうれしい。エスコルタ・フェリーターミナルからはイントラムロスも近い。フェリーで行くマニラの観光スポット巡りはおすすめである。

 

 

 本当に久しぶりに2時間以上歩いたが特にバテることもなく、翌日は筋肉痛が心配だったけれど痛みも出なかった。コロナ禍だからといって家と会社とスーパーマーケットの往復ばかりじゃだめだなと実感した街歩き、プチ旅行だった。(T)

 

パシッグ川フェリーサービスフェイスブック:https://www.facebook.com/mmdaprfs/

※マラカニアン宮殿の区間は写真撮影禁止。

Advertisement