注意喚起!! 気をつけよう 被害にあわないために…

この記事をシェア

2015年8月5日

日本人が巻き込まれやすいと思われる
典型的な窃盗や強盗事件を紹介

   フィリピン観光省によると、今年5月にフィリピンを訪れた日本人観光客は月間約2万5000人で、アジアでは韓国人に次いで2位。しかし、同時に、フィリピンで観光したり、生活する日本人が犯罪に巻き込まれた事例も多い。似かよった手口の窃盗や睡眠薬強盗被害は相変わらず後を絶たない。過去の事件から犯人の手口を頭に入れ、普段から細心の注意を払えば被害に遭う確率もぐっと少なくなると思われる。そこで、今回はここ数ヶ月間のマニラ新聞に掲載された記事を紹介してみたい。楽しい旅の思い出を作るためにもぜひ教訓化しておきたい。

やはり多い置き引き、スリ、窃盗被害
LRT車内で窃盗被害
   マニラ市の軽量高架鉄道(LRT)ペドロヒル駅のホームで午前11時、観光で来比中の日本人男性(61)が男性2人組に現金500ドルと1万円、クレジットカード数枚が入った財布二つを盗み取られた。 2人組は電車が到着すると、男性を左右から押し、その隙に男性のポケットに入っていた財布二つを盗んだという。男性はホテルに帰ってから盗難に気付いた。

マカティ市の高級商業施設で窃盗被害

   マカティ市ロックウェルの高級商業施設、パワープラントで午後1時ごろ、邦人女性(56)が財布などの入ったバックを盗まれた。女性は施設内2階の飲食店で夫と昼食を取っていたところ、気が付いたら隣に置いた茶色のバックが無くなっていたという。

子供らの集団に盗まれる

   マニラ市エルミタ地区マビニ通りで午後3時半ごろ、観光で訪れていた日本人男性(59)が現金約3万5千円入り財布とホテルの鍵を近づいてきた子供らの集団にポケットから盗まれた。子供らは邦人男性に近づいて金を要求している間に、ポケットから財布を盗んだという。また別の日本人男性(53)は、同地区の飲食店付近で午後8時30分ごろ、少年3人に現金1万円を抜き取られた。男性は、宿泊先のホテルから両替店に向かう途中で、少年3人に突然囲まれた。少年らは男性の胸ぐらをつかみ、フィリピン語で話しかけた後、逃走した。その後、両替店でズボンのポケットに入れていた現金1万円がないのに気付いた。現場は人通りが多かったが、暗かったという。さらに別の日本人男性(53)は午前1時半ごろ、マラテ地区のレメディオスサークルで10歳前後の子供2人と成人男性2人の4人組に3万円相当の携帯電話を盗まれた。男性は近づいてきた子供2人から現金の要求を受け、成人男性2人からはバイアグラを売ると接近された。男性が4人組を無視して立ち去ろうとした際、子供1人が男性の後ろポケットから携帯電話を抜き取った。犯行後、4人組は逃走した。

「抱きつき」窃盗被害

   マニラ市マビニ通りで深夜、日本人男性(24)がポケットに入れていた3万円相当の携帯電話を20代後半の比人女性に抜き取られた。男性は事件発生の直前、携帯電話で街の風景を撮っていた。男性が携帯電話をズボンの前ポケットに入れると、突然前から現れた女性に抱きつかれた。その際「ホテルに行こう」などと誘われたが、断った。女性がその場を離れてしばらくすると、ポケットの携帯電話がなくなっているのに気付いたという。

ホテルの部屋で窃盗被害

   観光客の男性(61) が午後8時過ぎ、マニラ市のホテルの部屋へ戻ると、ドアの鍵が開いており引き出しの中に入れてあった現金60万ペソと70万円、腕時計(60万円相当)、パスポートなどがなくなっていた。警察は、ホテル関係者が犯行に関与した可能性が高いとみている。

バイクでのひったくり被害

   観光客の男性(33)が午後6時半ごろ、32万円相当のカメラや7万円相当の電子機器などが入ったショルダーバッグをバイクに乗った男性にひったくられた。この男性はマニラ市のロハス通りで風景写真を撮った後、同通りを歩いてホテルに向かった。突然、バイクに乗った男性が現れ、肩に掛けていたショルダーバッグをひったくって逃走した。
両替中にタクシー運転手が荷物持ち去り
   観光で来比した日本人男性(41)が午前2時ごろ、空港から乗ったタクシーの運転手に荷物を持ち逃げされた。被害届によると、男性はセブパシフィック航空で関西国際空港から、約2時間遅れでマニラ空港第3ターミナルに到着。空港から首都圏バレンスエラ市にタクシーで向かう途中、両替店に立ち寄ったが、戻ると、タクシーは後部座席に置いていたバックパック、段ボール箱各1個など計7万円相当の荷物を乗せたまま走り去っていた。

「日本の地震は大丈夫か」と話し掛け窃盗

  2週間の英語学校に通うために来比したという日本人男性会社員(28)が、首都圏パサイ市の軽量高架鉄道(LRT)バクララン駅のホームで午後8時半ごろ、カメラ、ノート型パソコン、携帯用音楽プレイヤー、衣類など総額約65万円相当が入ったスーツケースを、女性1人、男性2人の比人3人組に奪われた。被害届によると、日本人男性は午後8時ごろ、関西国際空港からマニラ空港へ到着し、タクシーに乗ってパサイ市タフト通りのバクララン駅前で降りた。男性は、1人でバクララン駅のホームのベンチに座って電車を待っていた。すると、比人男性と女性各1人が近寄ってきて「日本の地震は大丈夫か」などと英語で話し掛けてきた。被害者の男性が2人組と話している3分ほどの間に、ベンチの左側に置いていた黒いスーツケースが仲間とみられる男性に持ち去られたという。

マニラ空港で警官姿の3人組が「喫煙禁止」と言い掛かり

   マニラ空港第2ターミナル到着口前の喫煙コーナーで、成田空港から到着した日本人男性(40)が喫煙中、警官の制服を着た男性3人に言い掛かりをつけられ、出迎えの車を追跡された後、所持していた財布から現金2万円を強奪された。男性と運転手によると、警官姿の3人組に「あそこは禁煙区域だ。防犯カメラにも映っている。罰金5万ペソを払え」などと要求してきた。「そんな金は持ち合わせていない」と答えて男性が1千円を払おうとすると、財布を取り上げられ、中に入っていた2万7千円のうち1万円札2枚を抜き取られた。。空港警察は、男性が言い掛かりを付けられた場所を、禁煙区域ではなく「喫煙コーナー」と確認した。

マカティ市グリーンベルトで多機能携帯電話を盗まれる

   マカティ市の商業施設グリーンベルトの飲食店で非政府組織(NGO)勤務の日本人女性(29)がウエストポーチに入れていた3万ペソ相当のスマートフォンを盗まれた。午前0時半ごろ、女性が友人らとオープンテラスの席で飲食をしていた際、着用しているウエストポーチに入れていた米国アップル社製の「iPhone4」がなくなっていることに気づいた。女性は、店員に説明し監視カメラの映像を確認してもらったが、不審人物は確認できなかったという。

振り返った隙にカバン盗まれる

   マカティ市の商業施設フードコートで平日の夕方に女性旅行者が友人と食事をしていた際、後ろから話し掛けられ、振り返って応じている間に、真向かいの椅子に置いたカバン(旅券、現金など在中)がなくなっていた。

後を絶たない睡眠薬強盗
留学経験あり、語学堪能の日本人女性も被害
   マニラ市サンタクルスの軽量高架鉄道(LRT)ブルメントリット駅周辺の民家で、観光でフィリピンに来ていた日本人女性(33)が睡眠薬強盗に遭い、現金2万1千円と6万円相当のデジタルカメラを盗まれた。女性は同日午後4時ごろ、首都圏パサイ市のLRTバクララン駅高架下の路上で30代後半のフィリピン人女性にフィリピン語で道を聞いたところ、「あなたはフィリピン語がうまい」と、ほめられた。日本人女性はその後民家に誘われてビールを飲んだ。その直後に記憶を失い、約6時間後に滞在先の首都圏パラニャーケ市のホテル前に止まったタクシーので中記憶を取り戻した。約10年前にフィリピン留学経験もあるこの女性は「まさか自分が被害に遭うと思ってもいなかった」と話していた。

睡眠薬強盗に遭いバギオで意識取り戻す
   観光で来ていた日本人男性(40)がフィリピン人男女3人組から睡眠薬強盗に遭い現金約15万円と1万6千ペソ、8万円相当のデジタルカメラなどを奪われた。睡眠薬を仕込んだアメを使い、北ルソン方面へ被害者を連れて行くという新たな手口の睡眠薬強盗。男性はマニラ市イントラムロスので会った男女3人組のうちの一人の口にアメのようなものを入れられた。男性はその直後に昏睡状態になり、約30時間後の14日午後8時ごろ、意識を取り戻すと、ルソン地方バギオ市に到着した路線バスの中だった。男性は翌15日になって、現金などが奪われたうえ、自分の記憶にない同地方パンパンガ州アンヘレス市のホテルの領収書と、14日午前に購入した路線バスのチケットが財布に入っていることに気付いた。

警察が睡眠薬強盗13人の顔写真入手。11人は逮捕後保釈
   マニラ市で2011年から12年にかけて起きた睡眠薬強盗で、外国人被害者の撮影した犯人13人(男性3人、女性10人)の写真が、首都圏警察同市本部に提供されていたことが捜査関係者への取材で分かった。同本部は写真などを手掛かりに、うち11人を特定、逮捕したが、全員が保釈中で再犯の恐れがあるという。睡眠薬強盗では、被害者の記憶があいまいで、カメラなど所持品を盗まれることが多い。このため、犯人を特定できず、犯行が繰り返されてきた。今回は被害者が睡眠薬を飲まされる前に撮影した写真が逮捕の決め手になった。しかし、被害者の協力で逮捕した容疑者11人は既に保釈され、同本部の捜査担当者は「保釈金は2万ペソ程度。裁判所が保釈を認めれば、どうしようもない」と話している。

ナビ・マニラ第11号[Navi Manila Vol.11]より

   以上、日本人がここ数ヶ月間で遭遇したさまざまな窃盗、強盗による犯罪事件を紹介した。在比30 年のフィリピン通、フィリピン語が堪能な学生、NGO活動家、「フィリピンベテラン」の旅行者、駐在員、主婦など、職業やフィリピン滞在年数、経験に関係なく、ちょっとした隙を突く犯人の手口につい引っかかてしまう。「君は不注意だった」と言った人がその翌日、同じ犯罪に遭うことも。久しぶりに会った友人と話が盛り上がり、ふと気がつくと横のカバンが消えていた……、などなど。「自分だけはきっと大丈夫」「高級モールなら安全」という過信は禁物で、「ここは日本国内ではない」と常に用心するという認識が大切だろう。(「ナビ・マニラ」編集部)

日本の外務省、首都圏で警官を装った男性による強盗への注意を呼び掛け
   日本の外務省はこのほど、2011年7、8月ごろから首都圏マニラ、マカティ、パサイ各市で、警官を装った男性2、3人組による強盗事件が多発しているとして、渡航者に注意喚起した。 同省によると、犯行グループの手口は、言い掛かりを付けて一般車両で連れ去り、車内で手錠をかけるなどして金品を奪うというもの。言い掛かりの例として、同省は、赤信号で道を渡った、身分証を持っていない、禁煙場所で喫煙した、傲慢(ごうまん)な態度で警官を侮辱した―などを挙げている。本物の警察官は①短髪でひげを伸ばしていない②名札と6桁の番号が付いたバッジを制服の胸に着けている③常に身分証明証を持っている④一般車両は公務では使用しない―などと説明している。

ナビ・マニラ第11号[Navi Manila Vol.11]より

Advertisement