【フィリピノ・ワールド】オノマトペ

この記事をシェア

2021年9月8日

 

オノマトペとは

 

 みなさん、こんにちは!Kumusta kayo? 先日、日本の実家の母と話していて、フィリピン語の擬音語や擬態語の話になりました。「たとえば日本だと、雷はゴロゴロとか稲光はピカピカとか言うでしょう?」と母。「ピカピカ」や「ゴロゴロ」のように、音や状態などを、聞こえた通り、あるいはまるで聞こえるかのように言葉に表したものを擬態語、擬音語と言いますが、それらを総称したものをオノマトペと言います。日本語には「雷がゴロゴロ鳴る」のように動詞を修飾したり、「瞳がキラキラする」のように動詞そのものとして使われるものもあり、オノマトペの多い言語だというのが通説です。

 

 

フィリピン語のオノマトペ

 

 

 同様にフィリピン語にもオノマトペがたくさんあります。フィリピンの人々が意識して使っているわけではありませんが、本来、音や状態を言語で表現したそのままが名詞になったり、接辞を付けて動詞として使われています。たとえば雷はkulog(クロッグ)。雷がゴロゴロ言っている感じがしますね。そして稲光はkidlat (キッドラット)。ギラギラと光っている感じがしませんか。フィリピン語ではこれらに接辞-umが付いてkumukulog(雷が鳴っている) kumikidlat(稲妻が光っている)のように動詞として活用します。

 

動物の鳴き声や呼び名

 

 

 ニワトリの鳴き声は日本ではコケコッコーと表現しますが、フィリピンでは “Titilaok!”(ティッティラオーック!)と表現します。そう思って聞くと、その通り聞こえてくるから不思議なものです。カエルの鳴き声はkokak kokak(コカック・コカック)。夜中に聞こえてくる「トッコー!」という音の正体はナキヤモリ“tuko”(トゥコ)の鳴き声。鳴き声がそのままナキヤモリの名称「トゥコ」になったのでしょう。同じようにカラスはuwak(ウワック)。日本では「カーカー」と表現しますが、フィリピンでは「ウワーック」と鳴くというのでそう呼ばれるようになったようです。フィリピン語でコオロギはkuliglig(クリグリッグ)。これは実はセミも同じ呼び名です。なぜコオロギとセミが同じ名称なのかはわかりません。ちなみにセミは英語ではcicadaと呼ばれ、こちらも一般的に使われています。

 

 

その他のオノマトペ

 

 擬音語がそのまま言葉になったと思われるものには、扉をノックすることkatok(カトック)や、殴ることbugbog(ブグボッグ)などがあります。心臓の鼓動はtibok(ティボック)、ドキドキはtibok-tibok(ティボック・ティボック)と言います。バーンとぶつかることはbangga(バンガ)、頭をゴツンとぶつけることはbunggo(ブンゴ)。これらも感覚的にわかりやすいですね。水のしずくはpatak(パタック)つまりポタポタ落ちる音から来ています。拍手はpalakpak(パラクパック)、「ハハハ」と笑うことはhalakhak(ハラクハック)、「キャー」と叫ぶことはhiyaw(ヒヤウ)と言います。擬態語としては道などがデコボコなことはbako-bako(バコバコ)、物のピカピカした光沢などはkintab(キンタッブ)、物や皮膚がつやつやとなめらかなことはkinis(キニス)と言います。これらは全て、名詞でもありますが、接辞を付ければ動詞にもなります。もちろんフィリピン語は語根に接辞がついて動詞や名詞、形容詞になるものなので、これはオノマトペだけの特徴ではありません。

 

 

日本人と感覚が近い?

 

 

 オノマトペがそのまま言葉となったものが多いということは、音を聞いた時に言葉とイメージがつながりやすい言語ということでもあります。また言語によって音の持つ印象は異なるものなのに、フィリピン語の音の印象が日本人にも感覚的にわかりやすいということは、音や状態の捉え方や感覚が近いのかもしれません。フィリピン語を学ぶ時、言葉の音の持つ印象に注意を向けると、新しい発見があるかもしれませんね。

 

 

 

 

文:デセンブラーナ悦子 日英・タガログ語通訳。大阪外大フィリピン語学科卒。在学中にフィリピン大学に交換留学。フィリピン人男性と1992年に結婚後マニラ在住。

Twitter:フィリピン語ミニ講座@FilipinoTrivia