マニラの道路を走っている車を見ると、四輪駆動車のSUVや荷台付きのピックアップトラックをよく見ます。日本でも都市部で四輪駆動車はよく見ますが、マニラほどピックアップトラック見ることはあまりありません。東南アジアでも、シンガポールやマレーシア、ベトナムなどでもこれほど多くのピックアップトラックは見たことはありません。

 

 ガソリンが安く、広い道の延々と直線道路が続くような米国でピックアップトラックが人気なのはわかります。しかし、細い道も多くて慢性的に交通渋滞が起きるマニラでピックアップトラックに乗るのは決して使い勝手がいいとは思えないのですが・・・。ピックアップトラックは米国の自動車メーカーの得意とする車種なので、フィリピン市場においても米国の影響があったりするのでしょうか? 

 

マニラでは日系と米国の自動車メーカーのピックアップをよく見ます。

 フィリピン人の同僚に車選びについて聞いてみました。すると、4輪駆動車の車高が高い車に乗るのは、いざ道路が冠水した時でも大丈夫だからとの答え。ピックアップトラックに乗るのは、主に商用で大量に品物を買って運ぶ必要がある場合、ピックアップトラックは必需品なのだそう。なお、今は運転しやすく、燃費もいいコンパクトカーの人気も高まってきているといいます。

 

 今から10年ほど前にベトナムにいたころ、現地の人が自動車に求める主な役割はステータスシンボルだったように思います。おびただしい数のオートバイに囲まれて、フェラーリやランボルギーニといったスーパーカーが走る光景がありました。裕福な家庭の子息が免許を取って最初に買った車がメルセデスやBMWの上級車種、さらに超高級車のベントレーなどと聞いたこともあります。

 

 このようにベトナムにおけるステータスシンポルに偏ったような車選びに比べると、フィリピンは実用的で車選びをしているんだなと思います。(W)

(初出まにら新聞2017年1月27日号を再編集)