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ハロハロ・ノート~とっておきのフィリピン~第3回 : アバカ

2017年3月18日

フィリピンと世界をつなぐ繊維、アバカ(マニラ麻)
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日本の運動会で定番の種目の一つ、綱引き。この綱引きの綱に使われている天然繊維が、今回ご紹介するアバカ(マニラ麻)です。アバカは丈夫で、濡れるとさらに強くなるという特徴を持ち、軽くて水に浮く素材として、昔から船舶用のロープに使われてきました。
実はバナナの仲間です
「マニラ麻」とは呼ばれますが、麻ではありません。バショウ科の多年草、つまりバナナの仲間です。バナナよりは細身で葉も先端がとがっていますが、素人目にはほとんど見分けがつきません。実には種がたくさんあり、残念ながら食べられません。繊維は茎にあたる部分、葉鞘から取ります。葉鞘を切って薄く剥ぎ、外側の色の濃い部分と白っぽい部分に分けていきます。色が白いほど等級が高くなります。これをさらに道具にかけて引っ張り、細く裂いて使います。沖縄や奄美で芭蕉布を作るイトバショウと非常に近いため、マニラ麻は「マニライトバショウ」という別名を持ちます。
ダバオ日本人移民も栽培に従事
19世紀にマゼランがフィリピンに渡来したころには、すでに現地で栽培されており、その織物が衣類などに用いられていました。その後の貿易でも砂糖と並ぶ主要産品となっていきます。20世紀初期には、マニラ麻の農場や工場で働くために、多くの日本人がミンダナオ島に移住しました。最盛期にはダバオの日本人は2万人にも上りましたが、第二次大戦中にはダバオは激戦地となり、戦後のアバカの主産地はビコール地方と東ビサヤ地方になっています。
1万円紙幣の原料にも
アバカは日本でも夏のバッグや帽子としておなじみですが、その他にも私たちの暮らしの中で使われる様々な物に加工されています。例えば、日本の紙幣。アバカを混ぜることにより耐久性、耐水性が向上します。お札を間違って洗濯してしまっても、普通の紙とは違い、ボロボロにならないのは、アバカのおかげなんですね。
でも日本より多くアバカを輸入している国があります。輸入国の1位はドイツ、2位は英国です。ティーバッグの材料として利用されるためで、ドイツはアバカ振興のためにフィリピンにODAを供与しているほどです。
また最近では車やボートの部品としても使われているというから驚きです。EUで産業廃棄物の最終処分に関する規制が厳しくなっている中、アバカを使った複合素材に対する需要が高まっているためです。
将来性あるフィリピン発のとっておき!
日本でも特殊加工を施し、呼吸する優れた天然繊維として衣料品に加工するメーカーも出てきました。軽くて、耐久性、耐水性に富み、環境に優しいスーパー・ファイバー、マニラ麻。これからも将来性のある、フィリピン発のとっておき素材と言えるでしょう。(悦)

民家の軒先に干されていたアバカ繊維(ビコール地方のカタンドゥアネス島)

民家の軒先に干されていたアバカ繊維(ビコール地方のカタンドゥアネス島)


最大級の国際展示商談会「マニラ・フェイム」に出展されたアバカ製品と繊維見本(首都圏パサイ市)

最大級の国際展示商談会「マニラ・フェイム」に出展されたアバカ製品と繊維見本(首都圏パサイ市)


◎ Navi Manila Vol.31 より