ぷろびんしゃの風景

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2017年6月13日

Guso, agar-agar cultivation in Honda Bay, Palawan
パラワンの海で海藻のアガルアガルを栽培するひとたち

とりたてのアガルアガルを竹の棒にかけて運ぶ人たち。空のペットボトルは苗の浮きに使うようだ。

とりたてのアガルアガルを竹の棒にかけて運ぶ人たち。空のペットボトルは苗の浮きに使うようだ。

パラワン州プエルトプリンセサ市のホンダ湾には干潮になると現れる浅瀬のサンドバー(砂州)やヤシの木の茂る小さな島々があってアイランドホッピングの名所になっています。写真の男性が棒で担いでいるのは島で栽培されている「アガルアガル(agar-agar)」と呼ばれる海藻です。
アガルアガルはマレー地方全体の呼び名で、ハムやジャム、シャンプー、化粧品などの製造過程で安定剤や乳化剤として利用される「カラギーナン」と呼ばれる物質が含まれています。乾燥させれば業者が引き取ってくれます。短く切ったアガルアガルの苗を長いひもに縛り付けて海に放置しておけば自然に繁殖するのです。さほど手がかからないので、セブのマクタン島の沖や南のスルー海域でも手っ取り早い現金収入の手段として栽培されています。
このアガルアガルは食用にもなります。生のままではかたいのでサッとゆでて、トマトやタマネギ、ショウガを刻んで混ぜ、唐辛子を効かせてココナツ酢に浸して酢の物のようにして食べます。食用にする時にはフィリピンでは一般に「グソ(guso)」と呼んでいますが、まったく同じものです。マニラの市場でもよく見かけます。褐色や緑色をしたものがあります。
島の人たちは海藻栽培以外にもアイランドホッピングで立ち寄る観光客向けに海で獲れたばかりのウニやカニなど色とりどりの魚貝類を売っていてその場で焼いてもらえます。島巡りの楽しみのひとつです。

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