ハロハロ・ノート ~とっておきのフィリピン~第1回 : ハロハロ

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2017年3月25日

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フィリピンの国民的デザート「ハロハロ」。日本でもミニストップが夏季限定スイーツとして販売しているため、日本での知名度もぐんと上がりましたが、実はこのかき氷をフィリピンで最初に売り出したのは、戦前の日本人移民であったという説があります。当時はフィリピンの小豆「モンゴ」を甘く炊いたものにかき氷を乗せ、ミルクをかけたシンプルな物でした。これを売る商売は「モンゴヤ(モンゴ屋)」と呼ばれましたが、戦争により日本人の「モンゴ屋」は姿を消すこととなり、戦後また現地の人たちが様々な具材を入れて作ったのが「ハロハロ」の原型となったようです。
現在のハロハロに入っている具材は、白インゲン豆、小豆、ひよこ豆、調理用バナナ「サバ」やジャックフルーツ「ランカ」の砂糖煮、カオンやナタ・デ・ココなどのココナッツ加工品、ピニピグ(焼き米、炊いた米を潰して乾燥させ炒った物)、寒天、ウベ(ベニヤマイモ)のあん、そしてレチェプラン(硬めのカスタードプリン)で、フィリピンらしい具材が多いです。そして上からエバポレーテッド・ミルク(無糖練乳)とコンデンス・ミルク(練乳)をかけます。「スペシャル」になると、さらにウベなどのアイスクリームが乗ります。
ハロハロにも店によって特徴があり、どの地方にもハロハロと言えばこの店、と言われる店があります。また、かき氷風のデザートにはハロハロの他にも、コーンにかき氷を乗せ、ミルクをかけた「マイス・コン・イェロ」(スペイン語でトウモロコシ入り氷の意味)や、寒天やタピオカに氷を乗せ、ピニピグを乗せてミルクをかけた「ギノミス」などがあるので、ぜひ違いを味わってみてください。
「ハロハロ」という言葉は、フィリピン語で「混ぜる」とか「様々なものが混ざり合っている」という意味です。東南アジアの海上交通の要所に位置し、植民地として、また貿易を通して様々な国の影響を受けてきたフィリピンは多様な文化が混じりあっています。つまり、フィリピン文化は「ハロハロ」な文化で、この言葉ほどフィリピンをよく表している言葉は他にないと言ってもいいでしょう。このコーナーでは「ハロハロ・ノート」と題し、とっておきの食べ物やアイテム、ユニークなアクティビティなどを紹介していこうと思います。(悦)
◎ Navi Manila Vol.29 より
 
 

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