フィリピノ・ワールド

この記事をシェア

2019年8月7日

Filipino World
33
英語になった
フィリピン語
Mga Salitang Filipino na Naging Bahagi ng Ingles

フィリピン語 アレ・コレ

 

みなさんこんにちは!Kumusta kayo? オックスフォード英語辞典はオックスフォード大学出版会が刊行する辞典ですが、みなさんもおなじみpandesalやhalo-halo、pancit等、フィリピン語に由来する言葉もいくつか含まれています。オンライン版は毎年4回アップデートが行われるそうですが、新たに出版されるものが現在準備されているようです。その中にはどんなフィリピン語由来の言葉が含まれるのか、その意味と、フィリピン語として使うときの使い方を見てみましょう。

Bongga(ボンガ)形容詞
ボンガというのは、豪華、盛大なこと。服装や、パーティーなどが豪華で盛大な時に使います。Bonggang bongga ang birthday party ni Inday!”(インダイさんの誕生日パーティーはすっごく盛大だ。)”

Kilig(キリッグ)動詞
キリッグは、異性を意識したり、ロマンチックなことを言われてキュンとすること。あるいはラブラブのカップルを見て自分までキュンキュンした気持ちになるときなどに使

います。”Ang guwapo ng bagong mayor sa Pasig! Kinikilig ako!”(パシグ市の新市長はなんてハンサムなのかしら、キュンキュンしちゃう!)

Kikay Kit(キカイ・キット)名詞
キカイとは女の子っぽい物を好む女子のこと。キットは道具一式のことなので、日本語にすれば「女子道具一式」つまりお化粧道具やおしゃれグッズのセットのこと。

Comfort Room(コンフォート・ルーム)名詞
省略してCR、意味はお手洗い。フィリピン生活を始めるにあたり、まず知っておかなければいけないのが、この言葉です。実はこの言葉、本来アメリカ人が公衆トイレの意味でフィリピンに持ち込み、その後アメリカではこの使い方が廃れた後もフィリピンには残ったものだと言われています。ですから英語からの外来語としてフィリピン語になった言葉が、英語に逆輸入されたわけですね。

OFW(Overseas Filipino Worker)「海外フィリピン人労働者」名詞
海外に労働者を派遣することが外貨獲得のための国家戦略としてマルコス政権時代にはじまり、今でも労働人口の4分の1が海外にいると言われるフィリピンではOFWも大切な言葉です。マルコス政権下で施行された1974年フィリピン労働法でOFWという言葉が用いられたのが最初だそうです。

Trapo(トラポ)名詞
Trapoには二つの意味があり、フィリピン語での本来の意味は「雑巾」です。しかしこれが隠語として私腹を肥やしてばかりいるtraditional politician (伝統的政治家)の意味で使われるようになりました。オックスフォード英語辞典に掲載されるのは、この二つ目の意味の方です。

Despedida(デスペディーダ)名詞
Despedidaとは送別会のこと。本来スペイン語では「お別れ」そのものを指しますが、フィリピン語では「お別れ会」「送別会」のこと。オックスフォード辞典ではフィリピン語由来の「送別会」の意味で掲載されるようです。
日本の特殊な文化を伝えるkimonoやukiyoe、あるいはtsunamiなどの自然現象の名称、kawaiiなど日本語も英語に取り込まれていますが、英語になったフィリピン語も、フィリピン文化をよくあらわしていて興味深いですね。皆さんもフィリピンで暮らすうちに、ここで挙げられた言葉を聞くこともあると思います。ぜひ参考にしてください。


文:デセンブラーナ悦子

日英・タガログ語通訳。大阪外大フィリピン語学科卒。在学中にフィリピン大学に交換留学。フィリピン人の夫と1992年に結婚、以後マニラに暮らす。趣味はダンスだが、最近は時間が取れないのが悩み。

Advertisement