フィリピノ・ワールド Filipino World

この記事をシェア

2017年6月14日

第7回
あれ、まあ!(驚いた時)
Ay, naku! 「アイ・ナコ!」
みなさん、こんにちは!Kumusta kayo? 今回は驚いた時に使われる表現をご紹介していきます。
s-20170606083627_00001
「アイ・ナコ!(Ay, naku!)」
フィリピン人と接していれば、必ず聞いたことのあるのが「アイ・ナコ!」でしょう。これはタガログ語では “Hay, naku!”または “Ay, naku!”と綴られますが、元々は “Nanay ko po!”つまり「私のお母さん!」という意味だそうです。驚いたりあきれた時、「あれ、まあ!」「おやおや!」という意味で使います。なんで驚いた時に「お母さん!」が出てくるのか、日本人には不思議でしょうが、スペイン語でも驚いた時などは「マドレ・ミーア!」(私のお母さん!)と言うこともあるそうです。この表現をフィリピンの言葉に置き換えたものが現在のような表現になったのでしょう。
「ジョス・コ!(Dyos ko!)」
こちらも同じように驚いた時の表現ですが、「ジョス・コ!(Dyos ko!)」は「私の神様!」つまり英語で言えば “Oh, my God!”に近い表現です。スペイン語そのままで「ジョス・ミーオ!(Dios Mio)」という表現を使う人や英語の”Oh, my goodness!”を縮めた “OMG!”などをそのまま使う人もいますが、びっくりするたびに「神様」と軽々しく口に出すのを嫌う人もいて、婉曲的に”Oh, my gulay!”「オー・マイ、グーライ!(私の野菜!)」などと叫ぶ人も時々います。
「ススマリヨセップ!(Susmaryosep!)」
さて、驚いた時の表現の中でも難易度が高いのがこちら。「ススマリヨセップ(Susmaryosep!)」を分解すると、実は三つの名前「スス=ヘスス=イエス・キリスト」「マリア」「ホセ=ヨセフ」の三つの名前がくっついたものなんです。なにか大変な災難が襲ってきそうな時、聖人の名前を重ねて唱えれば、その災いを避けられるとでも考えた人が言い出したのでしょうか。こちらは「スス…!」とか「マリヨーセップ!」のように部分的に使われることもあり、あまりにもあきれ返って何も言えない、という時に年配の人が多く使う傾向があります。
「アイ・カバヨ!(Ay, kabayo!)」
カバヨというのはスペイン語からの外来語で「馬」という意味です。何か物を落としてしまったとか、ちょっとビックリした時にこのように言う人が時々います。スペイン語では驚いた時に「あら、馬!」とは言う表現はないので、スペイン語で驚いた時に使う「カランバ!」の代わりに婉曲的に使った可能性もあると思われますが定かではありません。
いかがでしたか。このようにビックリした時の表現もフィリピンではとてもカラフルですね。こういった表現を外国人が多用すると嫌味に聞こえることもありますので、「アイ・ナコ!」「アイ・カバヨ!」「オー・マイ、グーライ!」あたりを冗談ぽく使ってみる所から初めてみてはいかがでしょうか。
文:デセンブラーナ悦子
日英・タガログ語通訳。大阪外大フィリピン語学科卒。在学中にフィリピン大学に交換留学。フィリピン人の夫と1992年に結婚、以後マニラに暮らす。趣味はダンスだが、最近は時間が取れないのが悩み。

Advertisement