Enjoy Vietnam in Manila
Pho Noodles and Coffee

半生牛肉入りのフォータイ（Pho Tai／大230ペソ）と生春巻（Goi Cuon／２本120ペソ）。 チキンベースであっさり味のフォー、フォーガー（Pho Ga）もある。

濃いコーヒーに甘い練乳。確かにベトナムコーヒーであった。

今から10年前、ベトナムのホーチミン市に住んでいた時、ほぼ毎日のように朝食には米麺「フォー」を食べていた。ベトナムを出てからはシンガポールのベトナム料理店で数回食べたくらいで、マニラに来てからは３年以上フォーを食べていない。そんな中、エドサ通り沿いのダブルドラゴンプラザで「Pho24」を見つけた。フォー24はホーチミン市発のフォーの店で国際的に展開している。
先日このフォー24に行って食べたところ、ちゃんとしたフォーに出会えたと思った。ホーチミン市でフォーを注文するとどっさり出てくる香草は、こちらではささやかに付いてくるだけだったが、トッピングの牛肉はしっかりレアだった。
ちなみにフォー24は、いわゆるベトナムの南部スタイルのフォーである。
以前、ハノイとホーチミン市でフォーについて地元の人たちを取材したことがある。すると、フォー発祥のベトナム北部、ハノイの人は「南部のフォーは甘すぎる」「香草は不要」と言い、ホーチミン市では「北部は土地がやせていて香草が育たないから、フォーに入れることができない」と、罵り合うような結果となった。ベトナムはまだ南北が分断されているのかと思ったものだ。
今回いっしょに行って初めてフォーを食べたフィリピン人は、半生の牛肉を見るや、突っ返そうとした。麺もいまいちお気に召さなかったらしい。フィリピン人が愛してやまない米でできた麺なのに……。
食後は同じモールにあるカフェ、ハイランズコーヒーへ。こちらもベトナム発のカフェである。ホーチミン市の路地でプラスチックのイスに座り、無数に行き交うバイクの騒音に囲まれながら、濃厚なベトナムコーヒーを飲んでいた日々を懐かしく思い出した。（T）
About ten years ago, I lived in Ho Chi Minh City, Vietnam and I would eat Pho noodles for breakfast almost every day. I haven’t had Pho since I came to Manila.
One day I found Pho 24, a Vietnamese Pho noodles house from Ho Chi Minh City, in Double Dragon Plaza on EDSA. While I enjoyed Pho Tai noodles topped with sliced medium rare beef, my Filipino friend, who had Pho for the first time, did not like either medium rare beef or noodles. I wondered why she did not appreciate Pho although noodles are made from rice and she loves rice so much.

PHO 24
G/F, Double Dragon Plaza, Diosdado Macapagal Ave., Pasay City

偉大な、あまりに偉大なパッキャオ

先月、注目のボクシング世界バンタム級タイトルマッチ井上尚弥対ノニト・ドネアが行われた。“怪物“と称される日本人の人気ボクサーと“フィリピンの閃光”の異名を持つ５階級制覇レジェンドの一戦は、激闘の末、井上が判定で勝った。下馬評を覆し、井上を苦しめたドネアも世界中のファンから賞賛された。
私はマカティ市ブルゴスのスポーツバーで観戦(写真）したが、いまいち盛り上がりに欠けた。フィリピン人のファンも少なかった。これがマニー・パッキャオの試合だったらどうだろう？　多くのファンで盛り上がったと思う。ドネアの試合はフィリピンのメディアにネットで速報されたが、翌日の新聞には載らなかった。もしパッキャオだったら、結果に関わらず、翌朝１面で報道されたはずだ。ドネアはボホール出身だが、米国を拠点にしているので人気がないのだろうか。いや、やはりパッキャオの人気がすごすぎるのだ。
この12月で41歳になるパッキャオのボクサーとしてのキャリアはこの先長くない。試合を見ることができなくなると、フィリピン人はもちろん、世界のボクシングファンが「パッキャオロス」に悩むことになるだろう。（S)